SV・その18

仲間が3人揃うと始まる最終章、ザ・ホームウェイ。開始以降ずっと謎だったパルデアの穴内部が舞台。



道中は最深部を除き3人がずっと付いてくる。内部は屋外ということもありカメラが使え、且つ3人ともこれまでほぼイベントシーンでしか出てこなかったため、カメラで3人を撮る貴重なチャンス。だがピクニック中のポケモンほどではないが、3人とも割と自由に動くため、狙った構図で撮ったり、3人並んだ構図で撮るのはそう簡単ではない。



地上部分はかなりキラキラしており、アイテムのキラキラと識別が困難。アイテムの方はハズレ扱いの「オボンのみ」が多いが、ミントすら市販化されたにも関わらず未だ非売品の「やみのいし」「ひかりのいし」といった貴重品もある。



道中では3人の個性がよく出るトーク場面や、固定戦闘で3人のうち誰かと組んだダブルバトルがある。ダブルバトルでは捕獲不可。
パルデアの穴は今作の事実上ラストダンジョンとなるため、非常に広い上に分岐も多く、敵もレベル55以上の最強クラスの野生がうろつく。尚、通常の野生との戦闘は3人とも参加してくれない。



最深部へは4つのロックを解除する必要がある。地味に初代から続く伝統のフレーズ【……ポチっとな】がこんな終盤になってようやく登場。



地下部分から、未来のポケモンパラドックスポケモン』の一部が野生で出るようになる。未来からやってきたがコンセプトのため、全て現生のポケモンを未来的にしたデザインで、正体不明につき図鑑でもまともな解説がされていない。タイプは全て元ネタから変えられている。悪く言えばデザインの使い回しだが、それを未来から来たとして正当化するとは上手い理由付け。



道中のクリスタルはギラギラ光るし写り込む。が、カメラを構えた時だけこちらの姿が写らない(自撮りの時は写り込む)。恐らくカメラを構えたこちらの姿を最初から作ってないためと思われる。



最深部で博士が登場。オリジナルは死亡したためAIロボットで生き延びているという、またも2020年代ライク。荒廃した研究所に残るペパー少年とオラチフの絵は涙を誘う。
パラドックスポケモンを送り続けるタイムマシンを止めなければならないが、そうするとAI博士が狂暴化して襲い掛かる。



サイボーグと化した博士は、見せびらかすかの如く高所からマスターボール入りのパラドックスポケモンをどんどん落としてくる。最後に戦う「鉄の武神=テツノブシン」は、サーナイトエルレイドのキメラ。互いに弱点をぶつけまくる。



最後っ屁として繰り出すラスボスは伝説自身。手持ちが封印されて一瞬積んだと見せかけて、まるで選べと言わんばかりにこちらの伝説が点滅&振動で猛アピール。ここで繰り出すと、パッケージと同じ【バトルフォルム】に変わる。



図鑑上ではここで捕まえたことになる。伝説強制捕獲もここまで来た。正直こちらの方が、わざわざ元の手持ちで戦闘して捕まえるよりもはるかに楽。
フィールドのアレンジBGMが非常にアツい。最後且つ同種のタイマン勝負なので、ドーピングアイテムも惜しみなく使う。実際は、ターンが経過するとじきにテラスタル出来るため、そのままあっけなく倒せる。サイボーグ博士は未来に去り、世界を救うことは出来たが、ペパーにとっては肉親と今生の別れとなった。スカーレットとバイオレットでは博士が別人になるため、この辺りの話も丸々違う進行になっているのだろう。
この後最後のムービーに移行する直前、かなり長いローディングが入る。何も画面に表示されないため、ここでフリーズしたと勘違いするプレイヤーが多発した。



エンディングはスクショ可能。剣盾では録画禁止区間に指定されていたため、キャプチャのボタンを押しても無効だった。従来は文字モードが漢字なら全て英語、平仮名なら最後の©を除いて平仮名で表記されていたが、文字モードが廃止された今作は後者で統一されている。
BDSPで顰蹙を買った「株式会社イルカ」が協力会社として今回もいくつかクレジットされている。ポケモンファンからは未だに目の敵にされているが、ゲームフリークからは今でもその力は認められている模様。
エンディング前半部分のテーマ曲はエド・シーラン「Celestial」。ポケモンとのコラボ曲として告知され、ゲーム発売前からプロモーションで大々的に使用。ゲームの劇中でも起用されるとアナウンスされたが、最も輝くエンディングで堂々と使われた。ナンバリングでボーカル入りの曲が使われるのは恐らく初。地味に劇中でまともな人の声が流れるのもここが初。



剣盾の35時間の倍に当たる、プレイ時間69時間を以て、宝探しは終わりを迎えた。今作もシナリオで号泣するプレイヤーが続出、自分はさすがにそこまでは…とは思っていたものの、自らが作ったキャラがこうして最後の最後にちゃんと収まっているのをふと見ると、今までの展開が走馬灯のように蘇り、涙が止まらなかった。今思えば、思い出全てが宝物…。



ブランドがブランドなのであまりそういう目で見られないのだが、ポケモンのナンバリングのゲームジャンルはれっきとしたRPG。故にゲーム内容でシナリオが占めるウェイトは大きいが、今回もまた、笑いあり涙あり考えさせられる内容ありとよく出来た話であった。毎作毎作趣向を変えて上手く持っていくのは感心させられる。それだけにやたらとバグが多いのは惜しい。
バグ以外にも、オープンワールド化の弊害で建物の内部に殆ど入れなくなった、或いは省略されるようになったのも非常に残念。凝った内装の建物が多かったので期待していたのだが。
オープンワールドで攻略順序自由といえども結局はレベルに左右されるため、弱すぎるとクリア出来ないし、強すぎると面白くない。アクションゲームならまだしも、果たして今回のは意味があったのかと少し思う。かといって剣盾までの自由度ゼロではお使いゲーになってしまう、とても難しい匙加減。或いはアルセウスのようなエリアで区切ったオープンワールドでもよかったか。