撮影写真より


シーズンということで、数年前の祇園祭の鉾の上より。山鉾には幾つか一般人が実際に乗れるものがあり、最大で1000円程度を払うと誰でも乗ることが出来る。ピーク時には遊園地のアトラクションのごとく長い待ち時間が出来る。
これは放下鉾の内部。この鉾は有名な長刀鉾と同様に女人禁制を敷いており、いかなる理由でも女は一切鉾に上がることは許されないが、その代わりなのか男は全ての山鉾で唯一無料で上がることが出来る…のは昨年までの話。今年は鉾保存会と囃子保存会の対立により、会所開放も含め一般公開は全て中止された。
昨年の巡行中、囃子方の飲酒からトラブルになり途中で囃子方が降りるなど鉾側と囃子側の関係が悪化。一時期和解するものの、囃子側が勝手に法人化したことにより一転硬化し決裂し祭参加が危ぶまれたが、鉾側が旧囃子側とは全く関係無い新たな囃子方を結成し今年の祭に間に合わせた。旧囃子側を寄せ付けないためなのか、例年無料で入ることが出来た会所は一転して厳重な警備が敷かれることとなった。鉾の保存・運営を行う鉾保存会と、各山鉾それぞれで全く内容が異なる囃子の継承を行う囃子保存会、一見するとどちらも同じ団体が行っているように見えるが、実は繋がりが全く無い別の団体同士によるものなのである。今年はこのようなその場しのぎに近い方法でやり過ごせたが、来年度以降どうなるかは不明。
一見華やかな祇園祭だが、その裏側はこのようにいけずな京都人らしい非常にドロドロとした醜い争いが繰り広げられているのである。恐らく放下鉾の例は氷山の一角であり、他の山鉾も話題にこそならないが、小競り合い程度のトラブルなら少なくないはず。