撮影写真より


南海バスの堺シャトル堺市の二大ターミナルである南海本線堺駅と南海高野線堺東駅は、絶妙なくらい中途半端に離れており、この微妙な距離を結ぶのがこの堺シャトル堺駅堺東駅間の路線は他にもかなりのバリエーションがあるが、いずれもどこかに迂回したりなどの遠回りをし、どこにも寄らず最短で結ぶのは堺シャトルだけ。
車両は専用車であるレインボーHR。他の南海バスの車両とは大幅に仕様が異なり、ボディーカラーは豪華にゴールド、そこに渡来人をあしらったイラストが貼られており、更に後部は1台1台全て貼られている渡来人が異なるという凝った仕様。ナンバープレートは南海バスでは唯一新製当初から希望ナンバーとなっており、「和泉230あ2001」から順に登録されている。フロントマスクは1枚ガラスの観光マスク仕様で、導入当時はHRのデビュー直後だったためこれが恐らく初めての採用例だが、結局HRでの観光マスクは最後まであまり採用されず、まとまって導入されたのは堺シャトルの他には、東急バスの「東急コーチ」くらい。全固定窓+ホイールキャップも豪華さに一役買っている。
堺駅堺東駅間の所要時間は僅か10分くらいだが、その割には車内も豪華。全席ごつめのハイバックシートを装備、車内照明は観光バスと同じ型板ガラス入り、宣伝用液晶ディスプレイに文字放送でニュースを流せるLED付き。10分しか乗らないのに本当にここまでやっていいのだろうか。
運行はデータイムでも6〜8分間隔と多い。運賃は210円均一で、関西では珍しく前乗り前払い。南海バスでは他にも関空島内の路線でも前乗りを実施している。この路線専用の回数カードまで用意されており、需要の高さを窺える。
このHRは2代目で、初代はツーステップと「N」が目立つカラーであること以外は、2代目と同じ観光マスクの日野中型だった。2代目も導入されたのは00年3月なので、排ガス規制により活躍できるのは今年度いっぱいが最後。来年3月には後継となる3代目が導入されるだろう。

初代はのちに1台だけ増備されたものの、この時は普通のフロントマスクだった。廃車後、ほぼそのままの仕様で帝産湖南交通に売られ移籍。長年ふそうしか導入してこなかった同社にとって初の日野として、現在も稼働中。