名古屋→富山間乗継ぎ(3・高山→富山)

単純に高山から富山へ行くには、濃飛バス地鉄バスが古川・神岡経由で運行している特急バスがある。特急とあるものの、高速道路はないので全線一般道経由。更に地鉄バス運行便は停車停留所が濃飛バス便よりも多く、より路線バスらしい。
便数は1日4往復。何故か両社とも、どこかの送迎バスで使われていたような中古のトップドア中型バスを使用。

高山濃飛バスセンター→白川郷(せせらぎ駐車場)
濃飛バス特急白川郷線 所要約50分・2400円


だが今回は、せっかくここまで来たので白川郷に寄ってみることにした。以前までは牧戸・御母衣ダム経由だったが、現在は東海北陸道を経由するため、路線バスとは言い難いかもしれない。ちなみにこの区間東海北陸道はほとんどがトンネルのため、眺望はほぼなきに等しい。距離の割に異常なほど運賃が高いのも特徴。
車両はセレガRのハイブリッド。意外とレアなモデルで、ここと隣の松本電鉄くらいにしか導入されなかった。座席ポケットがなく、荷物棚も鉄道のような棒になっていたりと、内装は異常にチープ。


白川郷では、平日にも関わらず観光客が割と多く、外国人も珍しくなかった。現在はちょうど田んぼの収穫時期で、黄色くなった稲穂がまぶしい。

この白川郷は、あの「ひぐらしのなく頃に」の舞台となった雛見沢村のモデル=聖地。それっぽいシャツを着た青年も多く見かけたし、作中に登場する古手神社の聖地である白川八幡神社(萩町神社)には痛い絵馬がズラリ。

白川郷(萩町神社前)→高岡駅
加越能鉄道バス五箇山線 所要約150分・2350円


白川郷から、五箇山城端・福光・砺波と経由して高岡に向かう。国鉄→JRバス名金線の代替路線で、白川郷五箇山世界遺産同士を結ぶ反面、南砺地域ではいくつもの病院に立ち寄る生活路線、という二面性を持つ。白川郷から高岡駅までは実に70km超・所要時間2時間半・運賃表57面という、東海北陸地方では有数の長距離路線バス。途中の福光からは、JRバスとしての名金線最後の残存区間が金沢まで通じている。
せせらぎ駐車場から橋を渡ってすぐのところにあるのがスタート地点の萩町地区。出発してしばらくは長いトンネルが続き、岐阜・富山県境が複雑に入り組む区間へ。完全に富山県に入ったあたりからが五箇山地区で、こちらも観光客が多い。ここから先は登り勾配とカーブが激しくなり、停留所から発車する際は1速からギアを入れないととても加速できない。ようやく山を越えてしばらくすると城端駅に到着、ここで時間調整のため休憩。白川郷高岡駅の運賃2350円のうち、距離としてはその半分にも満たない白川郷城端駅で1650円もかかっている。

この城端地区は、「true tears」というアニメの聖地。城端アニメ製作会社の作品で、駅にあるコミュニケーションノートには俺の嫁というコメントがびっしり。この五箇山線、世界遺産の他に聖地までも2つを直接結んでいる路線だった。
城端からは、JR城端線に沿った普通の町道を走行し、砺波市役所から国道156号線を通って高岡に向かう。砺波市役所の向かいには加越能バスの営業所があるが、この路線は途中で乗務員交代はせず、高岡から往復5時間+白川郷での休憩30分を1人でこなすという、乗務的にも相当ハード。

高岡駅富山駅
富山地鉄バス10系統富高線 所要約60分・720円


最後は都バスの反転カラーでおなじみ、地鉄バスの日野+富士重工7Eで富山に向かう。全ての面に於いて並走するJRよりも下で、富山からの便は途中の射水市の小杉で便数が半減。ほぼ全線が旧8号線を経由するが、衰退ぶりを象徴するかのように、富山市の市街地以外ではほとんど乗客がいなかった。