SV・その34


【ハカドッグ】(ゴースト)
犬のゾンビ。RPGでゾンビは定番ながら、ポケモンでここまで直球のゾンビは今までいなかった。敵シンボルは、埋葬されているのか通常は頭上の墓石だけだが、近づくと蘇る。こちらに寄って来るが敵意は無いように見える。
RPGのゾンビといえば、HPが異様に高いが防御力は皆無というイメージ。しかしハカドッグは硬く、防御・特防とも100前後、攻撃も101なので全然ゾンビらしくない。HPは72で寧ろ低い。
通常特性「すなかき」は砂嵐時限定で素早さが上がるのでシチュエーションが限られるが、隠れ特性のその名も「もふもふ」は、直接攻撃のダメージを半減する強力な特性。その代わり炎が弱点になるので対策が必要。
専用技も彼しか出来ないであろう「おはかまいり」。威力50スタートから、倒された味方1体につき威力が50上がる。最大威力は3体持ちの対人戦なら2体倒されて威力150、6体持ちなら5体倒されて威力300。テラスタルすると目も当てられない、数の怖さを見せつける恐怖の墓参り。
何故か覚えるフェアリー技「じゃれつく」「あまえる」は彼の性格をよく表した技。当然のように「あなをほる」も覚える。砂かき特性に必須な「すなあらし」は自力では覚えず、技マシンを使う必要がある。攻撃力を上げる積み技は、タマゴ技の「とおぼえ」のみ。



【カラミンゴ】(飛行・格闘)
序盤から終盤まで定期的に出現。デザイン的にはかなり普通のフラミンゴだが、唯一首元が膨らんでいる=絡めている。これで栓をすることで体内のエネルギーを漏らさずに溜めている。英語名もFlamingoからnを取っただけの「Flamigo」。
どこにでも現れる割に、進化しないこともあり能力値はかなり高い。攻撃115・素早さ90は序盤から出るとは思えないほどの高さで、シナリオ上では普通に即戦力になる。
通常特性は、ゴーストタイプにノーマル技と格闘技が当たる&威嚇が効かなくなる「きもったま」、混乱時のみ回避率が上がる「ちどりあし」。隠れ特性は出現時に味方の能力変化をコピーする「きょうえん」、これは専用の新特性になるが、内容の通りダブルバトル限定。
即戦力の代わりなのか、特に自力の格闘技がいまいち。飛行技も苦手な特殊攻撃の「エアスラッシュ」か、反動技の「ブレイブバード」。間を取れる「そらをとぶ」は技マシンに頼ることになる。ダブルバトル向けには、技マシンで「おいかぜ」、タマゴ技で「ファストガード」を覚える。
図鑑には、『シンクロと呼ばれる習性により群れの全員が一糸乱れず一斉に攻撃してくる』とあるが、群れバトルが無いSVでは残念ながら戦闘ではこの習性は再現されていない。このシンクロは、状態異常を相手に写す特性のシンクロとは全く別。



【ハルクジラ】(氷)
かわいげのあるアルクジラから一変、雪山を足でうろつく巨大クジラ。重さ700kgは第9世代では四凶のディンルーを抑えて最も重い。上顎の角から放つ氷で全てを凍らせる。
『強靭な筋肉と分厚い皮下脂肪』という図鑑の説明通り、HP種族値は170。元々高すぎて圏外であるラッキー・ハピナスを除くとSVでは堂々1位、全て含めた歴代でも第7位にランクインするタフネスさ。一方防御面は防御65・特防55とかなり低いので過信は禁物。素早さも73しかない。
通常特性は当然、炎と氷ダメージを半減する「あついしぼう」。炎は弱点なので有難い特性。もう一つは砂かきの雪バージョン「ゆきかき」、隠れ特性は攻撃の追加効果が無効な代わりに威力が3割増しになる「ちからずく」。
HP170で個性をつけてしまったからか、特性・技共々、新ポケでありながら専用や新規のものが与えられていない。彼もまた自力で「ゆきげしき(旧あられ)」は覚えない。重さを活かすなら「ヘビーボンバー」、140kg以下の敵なら常時威力120で、SVの400種類のうち140kg以下は9割を占める。高いHPはタマゴ技の「はらだいこ」が活かせるが、防御の低さには注意。



【ドドゲザン】(悪・鋼)
キリキザンが更に進化した姿だが、こちらは武士・将軍。分類の「だいとうポケモン」は大刀、兜にある巨大な刀。大軍を率いるが作戦は苦手なので押しまくる…という説明があるため、いわゆる知将タイプではない。本人は歩かず、自らの髪に乗って飛ぶように移動する。進化条件が特殊で、コマタナを率いている『かしらのしるし』なるアイテムを持ったキリキザンを、キリキザン自身が3回も倒さないと進化出来ない。が、このアイテムを奪うなりして手に入れ、群れてはいないピンのキリキザンにトリックで押し付けて倒してもカウント対象という裏技がある。
HP・攻撃・防御が全て100超え、一方で頭を使う特攻は60、将軍というあまり動かないキャラだからか素早さは50、という非常にらしいステータス。専用の特性「そうだいしょう」は、倒された仲間1体につき10%威力に上乗せ。一度復活してまた倒されることで、最大150%まで上がる。もう一つの通常特性「まけんき」も、どれかの能力が下げられると攻撃が2段階上がるのでお得。隠れ特性の、昔の伝説に多い「プレッシャー」が一番微妙という始末。
専用技は「ドゲザン」。文章にすると意味が分からないが、中身は土下座して油断させて兜の大刀を振りまわして攻撃という、やっぱり意味が分からない。この変な技が威力85の必中という普通に主力級のスペック。「アイアンヘッド」「ハサミギロチン」も大刀で行う模様。将軍のくせに「どろぼう」「あなをほる」「イカサマ」を覚えられるのが微妙な頭の悪さを再現しているのだろうか。



【ミガルーサ】(水・エスパー)
贅肉を削って身軽になり、増幅したサイコパワーで突撃するメルルーサメルルーサはパルデアのモデル・スペインの定番食材で、この名前自体もスペイン語。オージャの湖に大量に生息しており、見つかると無音のまま【!】マークが出たが最後、猛烈な速度で突進してくる。ジャンプでもしない限りよけられない。
身軽身軽と言っている割に素早さ種族値は70と別に高くはない。102ある攻撃の方がはるかに高い始末。通常特性は相手の特性を無視する「かたやぶり」、隠れ特性は斬る技の威力が5割アップする「きれあじ」。切れ味特性はアルセウスから登場した特性で、SVではエルレイドも通常特性として採用している。
肉を削って身軽になる話を具現化した専用技「みをけずる」は、文字通り最大HPの半分を削った上で、攻撃・特攻・素早さを2段階ずつ一気に上げる。従来からある「からをやぶる」が防御特防を1段階減らすデメリットと比べると、違う意味で結構なリスクがある。斬る技は「きりさく」「アクアカッター」「つじぎり」「サイコカッター」と自力でも豊富だが、一方で技マシンでの斬る技は全く覚えない。高い再生能力を持つというエピソードは、タマゴ技の「じこさいせい」で再現されており、「みをけずる」とセットで使うと効果的。鳥ポケ以外で唯一「ついばむ」を覚えるのもポイント。
図鑑には、『贅肉は淡白だが美味しい』と、またも食用ネタが書かれている。メルルーサが普通に食用にされている以上書かれても仕方ないか。