SV・その33


【ブロロローム】(鋼・毒)
スター団のボス戦でおなじみとはいえ、とうとう車のエンジンまでポケモンにされてしまった。ブロロンは1気筒だが、進化するとエンジンそのもの+車になる。図鑑にはシリンダー8つと書かれているが、どう見ても見た目は6気筒。どっちにしろV6エンジン搭載なのでパワーはそれなりにある。燃料は勿論毒素。目は正面にあるが、エンジンヘッド部分にある、旧車のエアクリーナーのような丸い部分が口。
素早さが当然一番高い…訳ではなく、最も高いのは攻撃で、119という十分すぎる数値。素早さは防御と並んで次点の90だが、これくらいあれば並の種類は追い越せる。HPは80とまあまあ、特防は防御と違い67しかないが、尤も弱点タイプが非常に少なく、地面には4倍だがあとは炎だけ。半減・1/4・無効は合計10タイプあり、半分以上のタイプはろくに攻撃も出来ない。
通常特性は、砂嵐天候と粉系のダメージが効かない「ぼうじん」。隠れ特性は、弱点のダメージを25%軽減する「フィルター」で、これまではバリヤードメガボスゴドラしか持っていなかった。口の部分がエアクリーナーであることを示唆しているのかもしれないが、これを持っていると只でさえ少ない弱点が更に通りにくくなる。
見た目は浮いているが、データ上は浮いていないことと対地面を考慮してか、早速「でんじふゆう」を覚える。使うと弱点が更に減って炎だけになる。専用技は、スター団ボス戦でもしつこく使ってくる「ホイールスピン」で、威力と命中率ともに100だが、使うたびに素早さが2段階も下がる。素早さは低くはないが、無対策のまま1回でも使うと以降はほぼ後攻が確定する。排気音で威嚇するという図鑑の説明を「いやなおと」「さわぐ」で上手く取り入れている。
重量は120kg。車のV6エンジンの重量が160~200kg前後と考えるとかなり軽い。車のエンジンと比べるとだいぶスカスカなのだろうか。



【モトトカゲ】(ドラゴン・ノーマル)
これもまたノーマル複合。トカゲとバイクを融合させたセンスが光る1体。SVではシリーズ恒例だった鉄道が無くなり、ライドと統合したことで自転車も消滅したため、作中に登場する乗り物がタクシーとモトトカゲしかなくなってしまった。モトトカゲもライドがある主人公サイドは乗れず、ライトやシートを取り付けた鞍を乗っけたモトトカゲをNPCが乗り回す。最高時速120kmは実際のバイク並。腹にタイヤがあるさまがミラコラに酷似しているが関連性は不明、しかし”モト”をバイクではなく”元”と捉えるのなら無関係でもなくなる。
こちらは見た目通り素早さ121とかなり速い。最高時速120kmをそのまま当てはめたのか…と思ったが、そうなると200kmで走るクエスパトラが105しかないのはどういうことかとなる。防御特防は共に65、HPも70しかなく、速攻で仕留めるタイプであまり打たれ強い方ではない。
特性はバイク要素ではなくトカゲ要素で、通常が時々状態異常が回復する「だっぴ」、隠れ特性が交代でHP回復の「さいせいりょく」。他の新ポケが軒並み新特性や強力な特性を持っているのに比べると若干霞む。
専用技も持っていないが、バイク要素を再現した「ギアチェンジ」は、素早さ2段階+攻撃1段階を一気に上げられる強力な積み技。尤も技自体ならブロロロームも覚える。トカゲ要素を再現した新技「しっぽきり」も専用技と見せかけて、後述のミミズズも覚えるが、こちらは再生力特性と組み合わせることで消費HPを軽減出来る。一方技マシンとタマゴ技では、かなり色んなタイプの技を覚えられるため、ギアを変えつつ多彩なタイプで攻撃することが可能。但し防御力を上げる積み技は覚えないため油断はできない。



【ミミズズ】(鋼)
潜鋼のヌシ。初登場のミミズのポケモンで、当然地中には潜っているが、土中の鉄分を摂取することで鋼鉄の体を手に入れた。全長2.5m・体重310kgは単なるミミズではなく完全に怪物の領域。潜っている敵シンボルは、時々かなり離れた位置でも戦闘になってしまう。
全身鋼鉄故に、防御種族値は145と極めて硬く、現在SVで実装されている400種類の中では第4位。一方特防はその3分の1の55しかないが、地味に珍しい鋼単一タイプは軽減タイプが元々非常に多い。その上、通常特性となる新特性「どしょく(土食)」は、数少ない弱点である地面技を吸収して回復してしまい、ダブルバトルでの味方の「じしん」すら吸収。こうなると弱点は炎か格闘しかなくなってしまうが、物理技が多い格闘相手には高い防御力で対抗するため、まともに通るのは炎の特殊技程度になる。
重いので「ヘビーボンバー」はかなりの高威力が期待できるが、潜っている都合上、覚える技も鋼というよりも地面タイプが多め。隠れ特性「すながくれ」の場合だと「すなあらし」の習得が必須。防御力を更に高める「てっぺき」を使うとまともに物理技が通らなくなる。モトトカゲと共に覚える新技「しっぽきり」は身代わりを作った上で控えと入れ替わる、「みがわり」の上位互換技だが、その代わり消費HPが「みがわり」は最大HPの25%なのに対し、「しっぽきり」は倍の50%を消費する。



【キラフロル】(岩・毒)
洞窟の壁から毒を吸収し、更にそれを結晶化した物体。トップチャンピオン・オモダカの片腕として知られる。エリアゼロ地下エリアでは、飛んでいる敵シンボルの他、岩に貼りつき触れるまで戦闘にならない敵シンボルもいる。岩毒という組み合わせは、これまではUBのウツロイド1種類しか存在しなかった。飛んではいるが、やはりこちらも地面4倍ダメージ。
特攻種族値は130と非常に高く、最も低い55の攻撃は実質”死にステ”。残りは全て80以上というかなりのスペックで、トップチャンピオンが惚れ込んだだけある。通常特性である新特性「どくげしょう」は、物理技を食らうとオートで「どくびし」が発動。以降の交代を億劫にしてしまう便利な特性。隠れ特性「ふしょく」は通常毒が効かない鋼・毒タイプにも毒を冒すことができるが、毒化粧の前には存在感が脅かされる。
専用技は「キラースピン」。威力は30しかない上に苦手な物理技だが、「しめつける」などの何ターンもダメージを受けるバインド技に加え、「まきびし」「どくびし」のトラップも一斉に解除。「こうそくスピン」とよく似ているが、キラースピンは敵全体が対象+毒の追加効果・高速スピンは敵1体が対象だが、剣盾から強化され、威力50+素早さマイナス1段階の追加効果。
又、非常に使い手が少ない「ニードルガード」も覚える。「まもる」状態に加え、直接攻撃してきた相手にダメージを与える。本来は草タイプの技で、元々の使い手であるノクタスブリガロンはトゲで身を守るが、キラフロルは結晶の花びらで身を守る。普通の「まもる」も覚えられるが、これがある彼に覚えさせるのはほぼ無意味。毒化粧特性に「どくびし」を覚えさせるのも同様、というかこれに関しては自力で覚える。