SV・その54

今回もまた新ポケモンの勉強。

【カミッチュ】(草・ドラゴン)


アップリュー・タルップルに続くカジッチュ第3の姿はりんご飴。上に突き出ているのが”そとッチュ”、後ろに出ているのが”なかッチュ”。この2体が自分で生成した蜜をまとったりんごの中で共存している。オモテ祭りでの演出の一環として造られたと思われる。

キタカミの南東”落合川原”にある無人販売所の専売品「みついりりんご」を使うことで進化可能。販売額は1個500円だが、何故か売値は550円なので僅かながら錬金術が可能。

アップリューが攻撃、タルップルがHPと特攻に長けているが、カミッチュは防御が高く110。一方で素早さは40とかなり低いが、30しかないタルップルよりはまし。尚、設定上のサイズは3体とも殆ど変わらない。

専用特性「かんろなミツ」。出現時に相手全員の回避率を1下げる。こちらの命中率をオートで実質上げられるため便利だが、『最初に登場したとき』と明記されているため、誰かと交代して再登場した時は発動せず、相手を倒した・交代された時は効果が切れる。もう片方の通常特性は、HPが半減すると木の実を使う「くいしんぼう」、隠れ特性は持ち物を取られない「ねんちゃく」で、後者は見た目通り、前者はカミッチュに食いしん坊要素はないものの、アップリュー・タルップルとの共通特性として設定された。

専用技「みずあめボム」。水あめの爆弾で”あめまみれ”なる特殊な状態異常にさせる。こうなるとターン終了時に素早さが毎回1下がり、最大3ターンで合計3下がる。どう見ても水タイプだが、カミッチュのタイプに合わせるために草タイプ。尤も、これはカミッチュ自らが生成した蜜であり、実際の水あめの原料も澱粉であるため、草タイプでも違和感はない。但し威力は60と若干控えめ、命中率も85%と低めであり、安定を求めるなら「エナジーボール」になる。

どうやら再生能力を持っているようで、レベルアップで「リサイクル」「じこさいせい」を覚え、どこで花粉を生成するのか「かふんだんご」も覚える。敵の回避率は「あまいかおり」でも下げることが可能。技マシンなら誰でも覚えられる「みがわり」を自力で覚える数少ない種類。


【ヤバソチャ】(草・ゴースト)


紅茶のポケモンであるヤバチャ・ポットデスが「洋」とすれば、対になる「和」は抹茶のポケモンであるチャデス・ヤバソチャ。デザイン感もほぼ共通で、ヤバチャ・ポットデスに「贋作」「真作」があるのと同様に、「マガイモノ/ボンサク」「タカイモノ/ケッサク」がある。違いは器の僅かなマークだけ・タマゴで量産できるのはマガイモノのみ・ステータスに変化なし・しかしながら進化アイテムは個別、は贋作真作と同様。尚、☆6のレイドでは100%ケッサクの方が出現する。

下位種チャデスは成功しなかった茶道家の怨念が高級茶入にまとわりつき、こちらは茶筅に扮した本体が飲もうとした相手の生気を吸い取る。日没後に徘徊すると図鑑に明記されているものの、チャデスは普通に昼間にも出現するし、ヤバソチャの方はそもそも野生ではレイドのみの出現。

専用特性「おもてなし」。ダブルバトル用で、出現した際に相方のHPを回復。通常のタイマンでは無意味なので、隠れ特性「たいねつ」に頼ることになる。弱点の炎タイプを無効化できる故に、ダブルバトルをしない場合は耐熱一択になる。

ステータスは特攻が121で、これは収録種のうち草タイプ一般種ではオリーヴァに次いだ数値。硬い茶碗だからか防御も106と高いが、動きは早くないからか素早さは70と控えめ。

進化時に覚える専用技「シャカシャカほう」。熱い抹茶をまき散らす全体攻撃技という時点で強力だが、熱いので火傷の追加効果もあり(20%)、何故か与ダメージの半分を自分が吸収して回復。ユニーク且つ強力な反面、命中率は90%と若干抑えめ。この技のキモは、レイドで敵対した際に切り札として繰り出してくるが、吸収も火傷も4体分のメッセージが表示されるため、相当な時間稼ぎをされること。後半になって使ってくるため猶更嫌らしい。

熱い抹茶をぶつける技として、もう一つ「ねっとう」も覚える。当然草タイプでは唯一の使い手。同じく水タイプの技としては「からにこもる」を覚えられるが、ここでは殻ではなく茶碗に籠って防御を上げる。


【ガチグマ(赫月)】(地面・ノーマル)


サザレのサブイベントでのみ出現する、DLCリリース前には告知されなかった新種。通常のガチグマとは全くの別種という扱いで、アルセウスからHOME経由で通常のガチグマを持ってきたとしてもキタカミ図鑑には載らない。そもそも現状ではヒメグマリングマからアカツキに進化する手段が無く、別種と捉えても強ち間違いではない。

ヒスイの固有種だったはずのガチグマが、漂流してキタカミに流れ着き、オリジナルのガチグマとは異なる独自の進化を遂げた。黒い左目は闇をも見通す=どんな相手にも攻撃を当てられる。この能力が「しんがん」というオリジナルの特性を生み出した。この特性は、本来ノーマル&格闘技が当たらないゴースト相手にも等倍ダメージで当たるようになり、ノーマル技はタイプ一致で当てられるようになる。

能力値は通常のガチグマと同じなのは素早さの遅さ。他は異なり、見た目に反して特攻が135とかなり高く、パルデア新ポケではドクガに次いで堂々の2位タイ。HP113・防御120も申し分ない数値だが、通常のガチグマと比べると種族値合計は5しか変わらなかったりする。

専用技「ブラッドムーン」は、名前もそのままアカツキであり、今後他の使い手もいなさそうな技。威力140+命中率100%を特攻135から繰り出すというからたまったものではないが、連発は不可という制限が付いている。デカヌチャンの「デカハンマー」の特殊攻撃版といえる。

月繋がりで、「つきのひかり」「ムーンフォース」を覚えられるが、特に後者は貴重な特殊技。通常版の名残からか、物理技の方がはるかに多く覚えられ、折角の高い特攻が活かしにくい。レベル70が最低である現状では関係ないが、設定上は自力で特殊技を覚えられるのがレベル41で、しかも睡眠時しか使えない「いびき」。まともな技は48の「だいちのちから」まで無い。


もっこ

碧の仮面に於けるヴィランズ「ともっこ」。3体とも、元ネタである桃太郎に因んで「けらいポケモン」という分類だが、一体誰の家来なのか、桃太郎に当たる主君については、看板に姿が描かれているのみでストーリーで明かされることはない。

3体とも体に巻いているのが、通常特性にもなっており、彼らの能力を高めている「どくのくさり」。このため全員毒タイプが与えられている。全ての攻撃技の与ダメージ時に、30%の確率で猛毒に冒す。直接攻撃のみが対象の「どくしゅ」の完全上位互換。但し隠れ特性は3体とも異なる。

種族値はそれぞれ異なるが、HPの数値が88なのと、合計が555なのは共通。一応ジャンルとしては準伝説に分けられるが、その中ではそこまで高いわけではなく、又準伝説では珍しく性別設定がある。

尚、桃太郎に於いて、犬は仁義・猿は知恵・雉は勇気を示しているという説があるが、ともっこに於いてはあまり反映されていない。

【イイネイヌ】(毒・格闘)


身長1.8m/体重92kgの堂々とした体躯の犬。強さを求めた挙句、毒の鎖で強靭な肉体を手に入れた荒くれで、仁義のへったくれもない。『ヌンダフル!』の決め台詞でおなじみ。名前は各国通じて大体”いい犬”というネーミングで、完全に相反している。

攻撃種族値128・特攻種族値58という、典型的なパワーファイター。図体の割に素早さも80ある。隠れ特性の「ばんけん」は、Ver1まではマフィティフの専用特性だったが、早くもアイデンティティを奪った形。敵の特性「いかく」を受けると攻撃が下がらずに逆に上がり、「ふきとばし」などの強制交代技が効かなくなる。

覚える技は当然物理技ばかりで、どちらかというとキックよりも見た目通りパンチや噛みつく技が多い反面、「ほえる」「あなをほる」を覚えるところに犬の名残がある。エスパー相手には4倍弱点を突かれるが、エスパーに使えと言わんばかりに「ぶんまわす」「かみくだく」を自力で覚える。


【マシマシラ】(毒・エスパー)


毒の鎖をねじり鉢巻きの如く頭に巻いた猿。こちらは猿が桃太郎に於ける知恵の象徴という設定通り、鎖によって超能力を手に入れた、賢い悪役。草履を履いているような足元のデザインも相まって、決めポーズは完全に歌舞伎。

種族値はイイネイヌと対になっており、特攻が130。但し攻撃はイイネイヌの特攻よりも高い75。そして素早さはともっこ一の106。隠れ特性は、相手の持ち物が分かる「おみとおし」なのがエスパーっぽい。

猿感を出すためか、初期に「ひっかく」「おだてる」を覚える。特攻は高いが、「てだすけ」「ひかりのかべ」「ちょうはつ」「トリック」とサポート役でもOK。即座に交代する技が「すてゼリフ」「とんぼがえり」「バトンタッチ」、追加効果が100%発動する攻撃技が「ねこだまし」「どろかけ」「アシッドボム」「くさわけ」と妙に豊富。


【キチキギス】(毒・フェアリー)


鳥ポケなのに、飛行タイプでもなければ「ふゆう」特性でもなく、それでいて毒タイプを持っているため、地面技は効かないどころか弱点になっているという雉。彼が鎖に求めたのは勇気…ではなく美貌。フェアリータイプなのはこのため。鎖によって声までも美声になってしまった。

それをステータスに反映したのか、彼が最も高い能力は特防の125。攻撃が91に対して特攻が70なので、どちらかというと物理技の方が多く覚えるが、「つるぎのまい」「わるだくみ」の両方ともを覚えるため、どちらの型でも十分いける。威力60以下の技の威力が5割増しになる「テクニシャン」の隠れ特性にすると戦略が広がる。

能力的にもマシマシラよりもこちらの方が表向きはサポート役なので、捕獲当初の技が「ふくろだたき」「いばる」「おだてる」「はねやすめ」と見事に補助的な技ばかり。捕獲時は混乱対策をしないとろくに攻撃出来ない。一応鳥ポケなので飛行技が比較的多いが、当然ながらタイプ不一致。美声を活かす技は「チャームボイス」があるが、もしかすると「ねごと」もそうなのかもしれない。


【オーガポン】(草)


もっこに主君を倒され、村人からは迫害され続け、一人洞窟で籠り続けていた”鬼”。DLCリリース前のプロモーションの段階では鬼面を被っており、その見た目は悪役そのものだが、その正体は、推しの子ばりのキラキラお目目と『ぽにお!』の声が特徴的な、寂しがりの女の子。只今人気急上昇中だが、現段階ではネタバレ扱いということで素顔の状態は公式では公表されておらず、グッズも全て鬼面での発売。ポケセンで売っているぬいぐるみでさえ、お面はくっ付いていて取れない。尚、ゲーム中でも戦闘になると自動的に鬼面を装備する。伝説ということもあり、オーガポン=Ogarponという名前は全世界共通。

かわいい見た目とは裏腹に、攻撃120・素早さ110と戦闘スペックはかなり高く、種族値だけで見るとともっこと殆ど引けを取らない。何故いじめられていたのかよく分からなくなるが、毒が弱点を突かれるから?

専用技は「ツタこんぼう」。威力100の物理技で、急所率も高いためこのままでも使えるが、”お面”によってタイプが変わる。蹴り技が得意と図鑑に明記されているが、覚える蹴り技は「にどげり」「ローキック」だけ。技思い出しで「かたきうち」を覚えるのが、積年の恨みを晴らすかのようで何とも言えない。貴重な「ニードルガード」の使い手でもある。

仲間にした際に同時に手に入る3種のお面のどれかを持たせることで、草タイプに複合させるタイプ・特性・「ツタこんぼう」のタイプ・テラスタイプ・テラスタルした際に上がる能力が変わるという、他にはない特殊能力を持つ。加えて移動中含め、彼女が着ているちゃんちゃんこ(法被)の色まで変わる。お面によってテラスタイプが固定されているため、彼女に限りテラピースを用いてのテラスタイプ変更は不可。

通常時の特性が「まけんき」なのも印象付けに一役買っている。真実が改変され、無実の罪で恨まれようも諦めなかった彼女の半生にぴったり。