SV・その32


【デカヌチャン】(フェアリー・鋼)
自ら鍛造した巨大ハンマーを振り回す妖精の女の子。第9世代新ポケで唯一異性が存在しない。かぬちとは、鍛冶の古い言い方。体重112.8kgと設定されているが、ハンマーの重量は100kg以上と図鑑に明記されているため、本人の体重は10kg前後しかないことになる。巨大武器×小さな女の子×戦闘民族というギャップがウケて、非公式で開催された人気投票ではドオーを抑え堂々1位。
実はこんな見た目ながら、攻撃種族値は6つ中下から2番目の77しかなく、一番低い特攻よりも7高いだけ。最も高いのは特防の109・次点が素早さの94だったりする。
通常特性は、戦闘民族タイプに多い、相手の特性を無視して攻撃する「かたやぶり」と、それとは真逆の「マイペース」は混乱と威嚇が効かない。隠れ特性「わるいてぐせ」は、直接攻撃の相手から持ち物を勝手に奪う。
進化時に覚える鋼の専用技「デカハンマー」の威力は160。自己犠牲の「だいばくはつ」「じばく」、ビクティニ専用「Vジェネレート」に次ぐ歴代攻撃技で堂々第4位の威力。一般種の非自爆技としては歴代最高威力になる。しかも命中率100だが、その代わり連発は不可。それでも、反動で次ターンは何の行動も出来ない+命中率が90しかない「はかいこうせん」「ギガインパクト」より明らかに上位互換。ハンマーで攻撃する「ぶんまわす」「たたきつける」「はたきおとす」を覚えつつ、本人が可愛さで落としにかかる「つぶらなひとみ」「ほしがる」「てんしのキッス」も覚える。タマゴ技で覚える、それまでケケンカニ専用だった「アイスハンマー」もイメージによく合う。技マシンの「かわらわり」は多くの種類が覚えるが、ナカヌチャン・デカヌチャンは唯一武器で行う。何故か「ゆびをふる」まで覚えられる。
イッカネズミ共々、デザインを手掛けたのはゲームフリークOBのイラストレーター・水谷恵氏。他のポケモン作品はミミッキュ・ヒスイガーディ&ウインディコジョンドなど。又、人物のキャラクターデザインも手掛けており、剣盾の主人公のデフォルト仕様やサンムーンのスイレンも水谷氏の作品。



【ウミトリオ】(水)
岩から出てくる謎の物体3本。シンボルに近づこうとするも、単に近づいただけではすぐ引っ込む。「あなごポケモン」という分類だが、ベースは食用の穴子ではなくチンアナゴ。リククラゲ同様、第1世代のパクリデザインで、一応元ネタのディグダダグトリオとは”たまたま似た・リージョンフォームではない”というのが公式の見解であり、生物学的には一切関係ない。
但しステータス上は関係ありまくりで、リククラゲ=ドククラゲ同様、種族値ダグトリオからコピペしただけで全く同じ。非常に素早い反面、HPが極めて低く、特にウミディグダはオリジナルディグダ同様10で全ポケモン中最下位。特性は、ダグトリオの通常特性「すながくれ」がウミでは隠れ特性に指定されている。通常は見た目を再現した「ぬめぬめ」と、すぐ引っ込む習性を再現した「びびり」。
レベルアップで覚える技は、ダグトリオの名残で「すなかけ」「どろかけ」「あなをほる」を覚えるが、他はダグトリオとは異なる。専用技「トリプルダイブ」は、それぞれが1回ずつ攻撃する3回連続攻撃技。水タイプの連続攻撃技はこれまで「みずしゅりけん」と「すいりゅうれんだ」が存在したが、前者はサトシゲッコウガ、後者は連撃ウーラオス専用で、結局3種類とも全て専用技であるが、野生で出現する種類の技となると初。技マシンの技もダグトリオとは異なり、水と氷が中心になるが、やはりちょくちょく地面技を覚える。タマゴ技の「おきみやげ」「いのちがけ」はダグトリオと共通。



【オトシドリ】(飛行・悪)
大空のヌシ。対峙する前に名前の通り大量の岩を落としまくっていた。袋に入れた物を高所から落として遊ぶという危険な性格が悪タイプで、ベースのコウノトリの幸せを運ぶイメージとは真逆に仕立てられている。でもあんな岩は明らかに袋に入らないような…。
最も高い種族値は攻撃の103、低いのは特攻の60、HPも70で高くないが、他は80台で普通に強いタイプ。通常特性は鳥ポケではおなじみ「はとむね」「するどいめ」だが、隠れ特性はヌシ戦での岩落としをモチーフにした新特性「いわはこび」。岩タイプの攻撃技の威力が50%アップするため、事実上岩技もタイプ一致として繰り出すことが可能。3タイプがタイプ一致となると非常に強い。
岩運び特性のこともあり、自力で覚える技タイプは「にらみつける」「ふきとばし」を除き、全て飛行・悪・岩のいずれか。技マシンも同様で、無関係なタイプの攻撃技もちょくちょく覚えるが、やはり基本は3タイプ。簡単に使用タイプが読まれそうな気がしなくもないが、そもそも3タイプ合計で半分以上のタイプの弱点を突けること自体が脅威。



【イルカマン】(水)
進化前のナミイルカとハートマーク以外殆ど変わらない、平凡なイルカ。レベルアップで進化するが、その対象はマルチプレイ中のみで、ある意味通信進化よりも困難。一応捕獲自体はレイドバトルで可能。
能力値はHPと素早さが100あるが、攻撃70・特攻53と攻撃面が微妙。しかしこのイルカの本当の正体は、『一度戦闘に出し、引っ込めてからもう一度出す』という手順を踏むことで、攻撃種族値160の破壊力で仲間をピンチから救う、正義のヒーローに変身すること。変身後はHP・素早さはそのままだが、残りの能力も一気に上がり、種族値合計650という伝説並のステータスになる。その代わり、変身の発動自体に「マイティチェンジ」という特性で特性枠を使っているため、変身後は事実上無特性となる。
専用技は先制技の「ジェットパンチ」。威力は60しかないが、変身後の高い攻撃力では十分。進化と同時に覚える「クイックターン」も、他の使い手がパラドックスのツツミしかいないので準専用技。こちらは「とんぼがえり」のように攻撃即交代の技で、いかにも変身準備で引っ込めるついでに使えと言わんばかり。「きあいだめ」で急所率アップ、「ビルドアップ」で攻撃を上げると、ただでさえ高いダメージが更に上がる。威力100以上の技も豊富に覚える。
しかし第一に、一度出してから交代してまた出すという手順を踏まないと変身せず、変身前(ナイーブ)自体が変身前提の低能力のため、対人戦になると特にクイックターンで変身が即読まれるので中々面倒。常時入れ替えルールである、ゲーム中のトレーナー相手では変身しやすいが、そもそも進化条件のせいで誰でも早期に使えるわけではない。交代不可能なレイドバトルでは全く役に立たず、逆に敵として出る場合は☆5レベルの割に簡単に倒せるのでお得。
雌雄比は半々で、ちゃんと雌も存在するが、イルカウーマンではなくあくまでイルカ『マン』。