ORAS・その16

チャンピオンロード。様々な秘伝技を駆使し、途中に配備された大量のエリート・ベテランをなぎ倒していくおなじみの流れを見るといよいよクライマックスが近づいていることを実感させられる。各トレーナーの手持ちは当然ながら最終進化形ばかり、オリジナル版と異なり第四世代以降も出てくるので、どんな種類でも対応出来る総合力が試される。そんな感じなので、レベルが高くて強すぎるという理由でまだ最後まで進化しきっていない手持ちのヌマクローワカシャモキルリアは遂に場合によっては一撃で落とせなくなってきた。特に厳選していないヌマクローはその傾向が強いが、ここまで来たからには一度だけでいいからこのまま殿堂入りしてみたい。
チャンピオンロードは基本いつも通り洞窟だが、最後の方になると屋外に出る。その奥が最終フロアだが当然ながら簡単に抜けられるわけにはいかず、ここには門番代わりにあのミツル君が待ち構えている。BGMも無音で一面に咲く花の揺れる音だけがするフロアに一人背を向けて佇む姿はもはや侍。オリジナル版には存在しないメガエルレイドを筆頭にバランスの取れた本気パーティで襲いかかってくるが、レベル差があったためそこまで苦戦することなく討ち取る。


そこからしばらく延々ひみつきちを更新しては「ものヒョイヒョイ」でマスターボールを狙うの繰り返し。しかしこれまで獲得したマスターボールは僅か2個だけ、片やハズレ扱いの「あなぬけのヒモ」は200本まで増えてしまった。既に集めても無意味なフラッグも間もなく2000本に迫る勢い。




そのまま半月ほど経ち、もうそろそろいい加減にクリアしなければいけないので、発売から2ヶ月経った節目にポケモンリーグでの殿堂入りを決意することにした。部屋の間の橋での演出が四天王の手持ちタイプのヒント。最初の悪中心と3人目の氷中心は、メインをワカシャモに据えて複合タイプはそれに対応する手持ちで対抗。2人目のゴーストと4人目のドラゴンはそれぞれフワライドとキルリアにおまかせ。結局四天王戦で受けたダメージといえばせいぜい「ねこだまし」か「まきびし」での交換時のダメージくらいに抑えられた。尚、合間合間には当然ながらおこずかいパワー+おまもりこばんでしっかり金も稼ぐ。


そしていよいよチャンピオン戦、他のゲームでいうところのラスボスである。ここのみフロアに入ったら自動的に戦闘に入るので、通路の間におこずかいパワーを発動させておく。リーグチャンピオンとして相まみえることとなったダイゴは岩と鋼の複合タイプ、ラストに相応しくリーグでは唯一最初と最後のカットイン含め全て3D対応。ようやくここで四天王では全く使えなかったヌマクローの出番だが、レベル差がかなり縮まっているせいでかなり苦戦。途中ネンドールに「なみのり」で倒しきれなかった際に「ひかりのかべ」を使われ、当然ながら次のターンに薬で全快されたが、すぐさま打撃攻撃の「たきのぼり」に切り替えたため撃破に成功。水タイプの秘伝技の多さ=バトルでのタイプ選択肢の少なさに愚痴をこぼした時もあったが、この時ばかりは救われた。その次は大トリを務めるメガメタグロス、この強敵にレベル差15しかない上に無厳選のヌマクローで相手にするのはあまりにも無謀すぎた。かつて散々一撃で仕留めてきた「じしん」で半分程度しか削れず、防御種族値150は伊達ではない。相手は極めて素早いため当然先制されるが、使ってきたのが反動がある「ギガインパクト」だったのが幸いした。しかも一度外したため大きな隙が出来、ギリギリながら撃ち落とすことに成功。大金を手にし無事殿堂入りを迎えることが出来た。
最後は感動のエンディング。町BGMアレンジメドレーに乗って、これまでのジム戦で実際に使用してきたポケモン達が浮かび上がる様が涙を誘う。そして最後、これで終わりと見せかけて真のラスボス・ライバルとのエンディングバトル。といってもXYのAZ戦と同様イベント扱いなのでレベルはかなり低く抑えられ、経験値・賞金は0。それでもライバルの御三家はメガシンカするので気は抜けない。ラストの主人公の両親の会話シーンで流れるテレビのBGMは、XYのラストでも使われたものである。ここまででプレー時間62時間。無論ここで終わりではなく、ここから完全オリジナルのエピソードデルタが始まる。



一通りプレーしてみて、リメイク作としてはオリジナル版のほぼ上位互換で何も言うことなし。BGMもXYから引き続き電子音から脱却した生音で納得のクオリティ。オリジナル版へのリスペクトや、それ以外の過去作の要素もちりばめられていて飽きなかったが、過去作未プレーのユーザーには少し分からなかったかもしれない。但しXY発売から1年後という急ごしらえもあってか流用も多く、XY登場時のインパクトに比べると、完全新作でないリメイク版ということも加味しさすがに薄いと言わざるを得ない。殊にポケセン・ショップの分離や着せ替えの廃止は大きなマイナスポイントだが、オリジナル版を尊重しての仕様かもしれない。毛づやの概念やきのみブレンダーも無くなったが、これについての意見は人によるだろう。