第11回スルッとKANSAIバスまつり

思えば第1回は、大阪ドームの真横にある狭苦しいところで入場制限をかけつつ開催、という何だかお粗末なものだった。あれから10年、第1回会場は大阪市交通局局舎用地となり、バスまつりは毎回のように入場者数が3万人を超える国内屈指のバスイベントに成長した。今回も開場前の列が最終的に2500人に達し、初めて開場を5分早めたほど。
今回の会場である園田競馬場は、かなり大阪府との境に近い位置にある。流入車規制により大阪府内での開催が難しくなったため、兵庫県内で開催とはなっているものの、なるべく大阪に近づけた結果ともいえる。今回は久々に展示車と物販ブースを分離し、物販は初めて屋内開催となり暑さの中並ぶこともなかったが、通路で開催していたのでとにかく人だらけで狭い。そもそも3万人という入場者数の時点で既にキャパの倍近くになるので、こういう事態は把握できたはず。ブースの中でも人気はやはり限定バスコレをぶつけてきた南海バス阪神バスだったが、数に相当余裕があったのかどちらもすぐに捌け、南海バスに至っては午後になるとバスコレなんて誰も買わなくなり、寧ろガチャポンに並ぶ客の方が遙かに多かったという始末。他には固定ファンが多い大阪・京都の両市営がかなりの客を集めていた。
車両も例年と違い、大半が運転席まで開放するか車内を一切開放しないかのどちらかであり、開放しているバスは常に車外まで行列が続きとても乗れる状況ではなく、また写真も人が多くてドア側からの写真が撮りにくいのもマニア泣かせだった。


特別展示を除いた展示車両は以下の通り。特別展示を含めると30台以上になり、過去最大規模となった。●印が2010年以降に新造された新車で、新車率は12/29と昨年より下がった。車種が偏っていた昨年に比べると少しましになり、KC-代の古参ノンステップが2台もいたのは高評価。今回はしずてつが初出展、特別枠として協議会未加盟の全但バスが引き続き出展(それも2台)した代わりに、ウイングバス南部と和歌山バス那賀が欠席した。

南海りんかんバスブルーリボンシティハイブリッド(・444)
└2回目の出展。通常は高野山駅前にいる。
奈良交通…定期観光バス(・385)
└ガーラミオをベースに改造した車両で、2回目の出展。
京都市バスブルーリボンノンステップ(6666)
└地下鉄まつりでも展示したあのHAPPY BUSがバスまつりに登場。
和歌山バス…セレガ(・271)
└白浜線用。和歌山バスは高速車両をよく持ってくるが、毎年車種が違う。
京阪京都交通…●ブルーリボンII(N593)
└最新車。特にこれといった特徴もない。
京阪宇治バス…●エルガ(0310)
└他の新車と違うのは先代モデルであることだけ。
神姫バスエアロバス(4830)
└姫路営業所所属。主に姫路〜大阪空港間で使用。
しずてつジャストライン…●セレガ(・654)
└夜行バスで初出展。前日の静岡発でこちらに来ており、今日の大阪発で静岡に帰る。しずてつ側で宣伝していたので、これに乗って静岡から来た来場客もいるはず。
山陽バス…●エルガ(5101A)
└今年山陽電鉄は全バス事業を分離、これによって関西の準大手以上の私鉄全社バス事業の分社が完了した。旧山陽電鉄時代から入れたての新車を持ってくることが多いが、このバスもまだ1ヶ月しか経っていない新車で、分社後初めての新車。
神鉄バス…●ジャーニーJ(3659)
└山陽バスと殆ど同時期の導入車で、例によって屋根をカットした特別仕様。ただ、OEMの元モデルであるリエッセは半年前に既に絶版になったはずなのだが…。
京阪バス…●ブルーリボンII(N-3215)
└京阪京都交通と色も車種も全く同じ…と見せかけて実は長さが違う。一番前の座席がないのも相違点。
京都バス…●エルガミオ(117)
└昨年の展示車とは年式が違うだけ。
尼崎市営…RA(19-784)
└今回の展示車で唯一の西工。微妙に新車とは言えないラインの車両を持ってきたのはそのためなのか。
阪急バス…●エアロスター(2980)
└実はシャトルバスの中にも同型の車両がいた。
大阪空港交通…セレガハイブリッド(2820)
└2回目の出展。
高槻市営…●エアロスター(3177)
└久々に導入したふそう。昨年はスペースランナーAという珍車を入れていた。
阪神バスブルーリボンシティハイブリッド(474)
└これまで空港バスばかりを展示してきた阪神バス、今年は初めて一般路線車を展示。
大阪市営…●ブルーリボンシティハイブリッド(41-1587)
└ハイブリッドはいくつか出展されているが、これは唯一の現行車種。
近鉄バスセレガR(8307)
└ゴリラのバス。何に使うのか全く説明がなかったが、実際は電通大のスクールバス。
南海バス…セレガ(・・40)
└4列シートの高速バス。当初は昨年同様夜行バスが予定されていたが変更された模様。例年通り終日車内非公開。
伊丹市営…プリンバス(・365)
└展示車史上初のキュービックノンステップ。伊丹市営がエルガ以外を出展したのは初めてだが、来年いっぱいまでに廃車になるのでこれが最初で最後になるかもしれない。
阪急バス…エルガ(791)
└コミュニティバスその1・西宮市さくらやまなみバス。コミバスだが山を越えるため距離制運賃。
山陽バス…●リエッセ(4730)
└コミュニティバスその2・明石市Tacoバス。いすゞフリークの山陽バスにしては極めて珍しい日野。
全但バス…ポンチョ(2999)
└コミュニティバスその3・朝来市アコバス。山陽バスと同じくいすゞばかりが占める全但で日野は異例。
全但バス…●ポンチョ(・257)
└コミュニティバスその4・豊岡市コバス。アコバスのショートに対しこちらはロングだが、どちらも1ドア。
神姫バスエアロミディMJ(31380)
└コミュニティバスその5・小野市らんらんバス。今回の展示車で唯一のふそう中型車。
神戸市バス…ボンネットバス(・444)
水間鉄道エルガミオ(・925)
神戸交通振興…シティーループ(644/かざみどり)
└毎年同じ車種なのでひとまとめ。


閉幕後は速やかに客を追い出し、速やかに退場…だったのだが、今回は退場前に撮影会としてコミバスと特別展示以外の車両を一列に並べた。

中々圧巻だが、相当広角なレンズでないと全部入らない。



恒例の退場中の一コマ、尼崎市営のバス停を通過する京阪宇治バス。こういう風景は意外と撮られないのか、他に撮っている人が誰もいなかった。