SV・その65

ここでも新ポケの勉強。例によってパラドックスは除く。

ブリジュラス(鋼・ドラゴン)


ジュラルドンに新アイテム「ふくごうきんぞく」を使って進化するのは、吊り橋をそのままポケモンにしたというキてるデザイン。但し分類は”合金ポケモン”であり、図鑑の説明にもこのままの姿で山で穴を掘ってエサを探すとあり、橋という言葉は一切説明には使われておらず、シリーズでは多々出てくる大きな橋もSVでは登場せず、橋そのものは見た目以外ではあまり関係ないように見える。前の橋脚が腕、後ろの橋脚が足であり、シンクロマシンを使うとズシンズシンといかにも重そうな音を立ててゆっくり歩くが、実は体重は60kgしかない。

静電気を集めてビームを放つという説明もあるが、電気タイプは入っておらず、タイプはジュラルドンと同様の鋼・ドラゴン。しかしその組み合わせの都合上、半分以上のタイプを半減以下に軽減する。
その上、元々強力だったジュラルドンからは当然ステータスは更に引き上げられ、1進化では史上初めて合計個体値600を達成。1世代で600族が複数存在する事例も初。攻撃・防御・特攻がいずれも100を超えており、特に防御は130あるため、半減タイプの打撃攻撃はほぼ通らない。更に、通常特性の片方「じきゅうりょく」は、攻撃を受けるたびに防御が上がっていくため、倒すには65しかない特防を突ける特殊攻撃がないときついが、弱点の地面・格闘とも特殊攻撃技はかなり少ない。
もう片方の通常特性は岩タイプでおなじみ「がんじょう」。万一弱点を突かれて即死しようにもこれで耐える。隠れ特性はジュラルドン共々専用となっている「すじがねいり」は、攻撃対象を変更させる技・特性を無効化…ということで主にダブル用の特性。

専用技は、図鑑の説明を具現化した、進化時に覚える電気技「エレクトロビーム」。いわゆる溜め攻撃だが、1ターン目は単に溜めるだけでなく、特攻が1ランク上がる。溜め攻撃故に威力は130あり、やたらと強力だがタイプ不一致なのはハンデなのかもしれない。雨だと溜め無しになり、特攻アップと攻撃を1ターンで行う反則的な効果。そのモーション(と寝姿)はあまりにも大橋そのもの。
他にも、高い防御を活かした「ボディプレス」もしっかり技マシンで覚えられるし、エレクトロビームとほぼ同じ効果を持つ岩版の新技「メテオビーム」も覚えられるが、こちらはエレクトロに比べて威力と命中率が若干下がる。尚、「あなをほる」は覚えられない。

このブリジュラスの登場により、進化形を得ることとなったジュラルドンは「しんかのきせき」の対象に入ることとなった。図らずも進化形に負けず劣らずの耐久を身に着けられることになる。


カミツオロチ(草・ドラゴン)


碧の仮面で新登場したカミッチュに早くも登場した新進化形。スグリの切り札として現れるが、藍の円盤リリース当初は公式での公表はされていない。新技「ドラゴンエール」を覚えさせてレベルアップすると進化するが、この技は新技故にレベルアップでは覚えられず、新規追加の技マシン226番を使う必要がある。最初に入手するのはカキツバタに”埃をかぶっていた”と言われて渡されるものであり、進化解禁も最低でもカキツバタ戦後となる。

名前の通りオロチの如く7体の竜”オロチュ”が1つのリンゴに入る。首を出さずシッポしか出さないオロチュもいる。彼らは気まぐれであり、説明を見る限りイッカネズミ同様にそれぞれの血縁関係は無いと思われる。1体だけ頭が常に外に出ており、これがリーダー。

あまりステータスが高くなかったカミッチュからは、特にHPが80から106、特攻が95から120にパワーアップしているが、他は据え置きであり、かなり低い素早さはたった4だけ上がって44と相変わらず遅い。特性は、カミッチュの通常枠にある「くいしんぼう」が「さいせいりょく」に変更されている以外はそのまま。再生力は交代しないと効果を発揮しないため、常時の使い勝手は食いしん坊の方が上か。

進化時に覚える専用技「きまぐレーザー」。オロチュの気まぐれぶりを再現した技。通常威力は80だが、30%の確率で威力が倍に上がる。確率によって威力が変わる技は珍しく、妙にギャンブル要素がある。寧ろこれのせいで威力80なのにPPが5しかないため使い勝手が悪い。

レベルアップで覚える技はカミッチュとほぼ同じだが、カミッチュでは最後に覚える「みがわり」の次に「パワーウィップ」が追加。一方技マシンでは「あまごい」など、カミッチュでは覚えられないかなりの数が新規で覚えられる。尚、進化に必要な新技「ドラゴンエール」は、いわゆる急所に当たりやすくする技だが、ドラゴンタイプだと上がり幅が2段階にアップ。気まぐれなのにこの技では常時気持ちが一致する模様。但し急所率が上がるのはダブルでの味方のみであり、自分自身には何の効果もない。

英語版の名前は、ヒドラとアップルを合わせた「Hydrapple」とあまりにもそのまま。


テラパゴス(ノーマル)


ラスタルの根源とされるクリスタルの亀。エリアゼロの最奥に1体だけ存在するが、昔は普通に生息していたという。伝説の恒例で、テラパゴスという名前は全世界で共通(Terapagos)。伝説・幻ではアルセウスに次ぐ史上2体目の単一ノーマルタイプ。性格個体値も固定であり、伝説なのに性別もある。

全部で3形態存在し、戦闘外ではこのノーマルフォルム。このままではただの亀であり、オーガポンを彷彿とさせるキラキラお目目だが、それ以外は能力もパッとしない。

戦闘に入ると、専用特性「テラスチェンジ」により、浦島太郎の亀を思わせるテラスタルフォルムに移行。ほぼ全ての種族値ステータスが100前後となり、合計600までアップ。フォルムチェンジしても特性が変わらないイルカマンと異なり、こちらは特性も変更されており、等倍以上の被ダメージを全て半減化する「テラスシェル」に変わる。

ここで更にテラスタルすると、第3形態の「ステラフォルム」に移行。亀の上に地球が乗る、昔の天動説を表した絵のような姿になり、図鑑の説明でもそれを示唆する表現が含まれているため元ネタと思われる。ここまでになると種族値合計は700まで上がり、同時に再度変化した特性「ゼロフォーミング」の効果で、移行した瞬間の1回に限り、全ての天候変化・フィールド効果を消す。
各タイプのアイコンを散りばめた甲羅の柄が柄なので、テラスタイプはステラ固定であり、宝食堂での変更は不可。彼のステラは特殊仕様であり、通常は1タイプ1回限りである威力アップ効果が無制限になるため、ノーマル技は常時威力2倍、ノーマル以外でも常時20%アップという反則能力。故に一部の対戦レギュレーションで彼は使用禁止扱いになっている。

フォルムチェンジごとにステータスは上がっていくが、亀故に唯一素早さだけが低めで、通常は60・テラスタルとステラが85。ステラフォルムで唯一テラスタルフォルムと同一値になるのが素早さ。ステラフォルムのHPはSV実装種中第6位の160にもなるが、代わりに素早さが低いのはこれもまたハンデか。

専用技「テラクラスター」。レベル60で覚える設定だが、仲間になるレベルが85なので最初から使える。通常は威力120・命中率100%で、威力120にしては珍しく特にハンデがない。その上ステラフォルム時では対象が敵全体になり、当然タイプ一致なので威力も更に上がる。

レベルアップでは、遅い素早さを補う「ロックカット」を覚える反面、逆に遅い素早さを活かした「ジャイロボール」も覚える。亀恒例の「からにこもる」も使えるが、同じく亀らしい技である「ロケットずつき」はSVでは実装すらされていない。ノーマル技故に覚えられれば有効なダメージソースになっていたが…。

DLC前は、スカーレットブック/バイオレットブックにステラフォルムのみ、詳細をかなり伏せた状態で登場していた。一方アニメでは当初よりテラパゴスを名乗り、DLCよりかなり先行して登場しており、そこでは『パーゴ!パーゴ!』と喋るが、一方ゲームではテラスタルポケモン故に、テラスタルした際の効果音を組み込んだという面白仕様。てらす池での隠しイベントでは、この効果音を言語化した『テアラコパリ』なる珍妙な台詞を言う。

尚、ノーマルフォルムには公式の着ぐるみが存在する。何の断りも注釈もなく、まるで昔からそうだったかの如くごく自然に二足歩行する姿はシュール。