発売前日。というといつもは期待感が高揚するものだが、今回は様子が違う。
第1、というよりあまりにも重いのがリストラ問題。
剣盾が初めて公表されたのが2月末。ナンバリング初の据え置き機での発売ということで期待度が上がったものだったが、途中から全てのポケモンは実装されないとの声明が出ると、期待感はにわかに陰りを見せ、発売半月前になると海外経由で最終の実装/リストラリストなる画像が出回ると、基準のあいまいさや実装/リストラが半分程度にも及ぶことから、国内外から不満が爆発。開発幹部へはSNSで苦情・非難が殺到、身の危険を感じたのか発売記念イベントを急遽中止にする始末。リストラを敢行した理由は当初から納期の不足と釈明しており、あまりにもポケモンを増やしすぎたツケ。かといってここまでビッグタイトルになると、新ポケモン無しの完全新作なんて許されない。故の苦渋の決断だが、キャラゲーに於いて中途半端にキャラを消すという、一番やってはいけないことをやってしまった。その上、全てのポケモンが出ないという事実を公式サイトでは一切明記されていないのも火に油。
人気種や御三家・伝説・幻は当然のようにフル実装され、マイナー種は案の定実装無し…というわけでもなく、当の実装/リストラリストを見る限り、実装されるのはかなりバラバラで、選考基準が全くもって謎。御三家はヒトカゲの系列のみで、これについてはチャンピオンの手持ちがリザードンであることから既に公式で証明済み。一方の伝説・幻は全種リストラというのも謎。今作の世界観に合わないUBのオールカットはまだ分かるが、ウォーグルとバルジーナは両方いるのに、バタフリーがいてスピアーがいない、エルフーンがいてドレディアがいない、といったように、対になる種類も両方実装があれば片方リストラされた種類もいる。
恒例の枠だと、地方図鑑末尾の種族値600のドラゴン枠は、カイリュー・ボーマンダ・ガブリアスはリストラ、バンギラス・サザンドラ・ヌメルゴン・ジャラランガは生き残り、しかも生き残った種類は2種ずつソードかシールドの片方しか出ない、と公式の段階で既に生き残りが明言される優遇ぶり。ピカチュウ以来の伝統である電気タイプの小動物枠は、ピカチュウ本人+系列のピチューは別格とするとトゲデマルのみで、残りは全てリストラされ、代わりになるのが新種の「ワンパチ」。
尚、Switchのソフト媒体となるゲームカードの容量は32GB、剣盾の容量は10GB程度で、容量的にはまだまだ余裕がある。のちのアップデートでリストラ組の実装という救済措置があるかどうか。
第2はオンライン。今作も対戦・交換に加え、他人のキャンプ訪問やマックスレイドバトルといった通信要素が用意されているが、Switchはあくまでも据え置きハード。今時の据え置きハードのオンラインは有料で、もちろん子供のユーザーが多いポケモンといえども例外ではない。1か月306円・3か月815円・1年2400円で、完全無料だった従来と比べるとどうも億劫になってしまいそうだが、ライバルのPlayStationPlusが最近の大幅値上げで1か月の時点で850円・3か月2150円・1年は据え置きながら5000円以上と、Switchの2倍以上。今のポケモンはオンラインでないと魅力がだいぶ落ちてしまうので、1か月でも入っておいた方が得か。3か月以上ならゲーム屋でカードが売っているが、発売初日は品薄の可能性も。
体験版はかつて散々解析されてしまったのでとうとう配信されなくなり、どういった流れになるのかがいまいち把握しきれていない。旧作との下位互換も、現状のポケモンバンクが3DS用ということもあり、通信は不可能。後継となるスマホアプリ・ポケモンホームでの対応となるが、配信は年明け以降になり現状殆ど情報がない。当面は否応にも剣盾内のみで調達した種類を使っていくしかない。