撮影写真より


三岐鉄道北勢線の終着駅・阿下喜駅。この手のローカル線の終点は大概何も無いが、ここの場合は都市部と同様に券売機・自動改札機完備、一部時間帯を除き有人。便所もきれいめと珍しく整備されている。


しかし駅前はかなり寂れきっている。目の前にある三重交通のそこそこ大きい待合所、かつては多くの路線が発着し窓口もあって高速バスの乗車券も買えたようだが、窓口はとっくに閉鎖され、今は最後に残った桑名行きたった1路線が1時間に1回来るだけ、残りは全て廃止かコミュニティバスに移管された。少し離れたところに車庫があるため、ここに停泊するバスも無く到着したバスはさっさと回送となって去って行く。このため敷地内はバスの時間以外は気味が悪いほど静まりかえっている。



すぐ裏にある「ホクセイショッピングセンター」。何か買おうと思ったがこちらも全く人の気配が無い。近づいてみると既に廃墟と化していた。このホクセイスーパー、一時期は250円の弁当でメディアにも取り上げられたようだが、利益が出なかったのか1年半前に破産。残っていたテナントも破産半年後までで全て撤退。ネットで調べると現役時代の写真がいくつが上がっていたが、その頃の面影は今となっては完全に失われた。中を覗くと、まだ潰れて1年半とは思えないほど荒れ果てており、什器や破産当時のキャンペーンはがきが残されたまま。随分急だったことが窺える。規模の大きさと人の少なさで、壊すだけでも相当の費用になるここを建て替えて新規に出店する物好きはそうそういないだろうから、まだまだ残り続けるものと思われる。個人的に廃墟には興味があるのでちょっと入ってみたくもなった。


追記…このホクセイスーパーは28年10月頃に無事解体され更地になった。塔屋のボウリングピンのみ地元有志によって保存される模様。