トーキョーグリモワール

今年もやってきた新作デビューの日。正直暁で最後になることを覚悟していたので、またこうして新作に巡り会えることを有り難く思う。



いつも通り内外のファーストインプレッションから始める。外観、暁と同様交換したのはタイトル銘板と遊び方シートのみで、今作で世界観が一気に現代化した割に筐体装飾はそのままなので若干浮いている。今作は学舎以来2年ぶりにポスターを作成、一部店舗では掲示もなされている。遊び方シートにはストーリーの概略が書かれており、今までクイズ概要しか記されなかった中で珍しい措置。



ゲーム開始・データ引き継ぎ、ここは旧作とほぼ同じ。CN入力場面でキャラ決定の場面ではある確認画面が無いのも同じ。但し、入力後はいつものストーリーの小芝居は無くいきなりモード選択画面に入る。小芝居はトーナメント後とグリバス前後(いずれも初回のみ)に入る。




モード選択画面。項目は下部に揃えられ、画面の大半をトーキョーの地図が占める。グリバス・検定はそれぞれバナーを押すと遷移出来る上、右側のキャラを押すと色々な反応を見せる。世界観の変更に伴い、BGMは一新、SEすら殆どが置き換えられている。
今作の特徴として、これまでQMAで多く使われてきたフォント・麗雅宋が殆ど普通のゴシック体に置き換えられており、麗雅宋はマイルームの通り名・コメント選択の場面などごく一部のみになってしまった。ファンタジーチックなフォントが現代世界に合わないことは確かだが、こうして伝統がまた一つ無くなっていくのは残念。



とりあえずトーナメントへ。今作もチュートリアルが用意されているので選択。前作同様予習無し・全員COM・セレクト系のみ出題で、正解率の計算対象だがトーナメント成績には入らない。
クイズ画面も大きく変わり、暖色系を多用していたファンタジーチックな旧作から寒色系を多用する現代チックに一変。制限時間はゲージタイプから時計タイプに変更、立ち絵は遂に廃止されるも、メインビジュアルが立ち絵と兼用されるようになり、常に顔が表示される。
今作のクイズの特徴が早さで、実況が全面廃止され、ナビの先生もいないためとにかく無駄が無い。通過者発表の画面でもちょろっと見せるだけですぐ次へ移行する素早さ、非常にテンポが良いが画面撮影をしたい人にはあまりに早すぎて不満が出るかもしれない。ちなみにセーブも異常に早くなっている。
決勝・順位決定戦は12問解答が復活。3人制だが4選目をコンピューターがランダムに選ぶことでバランスを取っている。地味に出題形式選択の時に、相手の挨拶コメントが見られるようになった。
階級はこれまでの魔術士○級・賢者○段という表記からQレベルに変更、誰でも直感でレベル位置を把握しやすくなった。今作はレベルによって制限されている項目がかなり多く、予習・決勝での形式は以前なら引き継ぎだと全解禁が当たり前だったが、今作は初めて引き継ぎ対象外とされ、全員一律最初はセレクト系の☆1のみに統一。ランダムまで解禁しようならレベル50まで上げないといけない。その代わり難易度は5段階制が復活している。
石は順位の他、満点解答(以前でいうところの緑ゲージ解答)や連続正解でボーナスが入り、更に正解した問題数・難易度に合わせてボーナスも出るようになり、同じ順位でも前作以上にブレ幅がつくようになった。



次にマジコロ改めグリムバスターズ、略してグリバスNORMALに入る。ここにもチュートリアルがあり、トーナメント同様予習無し・全員COMで戦うことが出来る。基本はマジコロとあまり変わらないが、ジョブは全てリセットされ基本ジョブレベル1×3種だけの状態に逆戻り。サポートジョブなる、他のジョブのステータス変化効果も取り付けることが可能。
ステータスはマジコロ比でかなりインフレしているが、当然受けるダメージも上がっている。溜め攻撃は普通に7〜8割のダメージを受け、更にNORMALというだけにマジコロEASYのように常識問しか出ないというわけでなく、普通に難しい。ジョブが3種に戻ったこと、モード自体もEASYが廃止され最低でもNORMALになったことで難易度が相対的にかなり上がっている。
終了後のボコスカードも健在。「MONTHLY BOKOSCARD」なんていうお洒落なネーミングに変わったが、実況廃止に伴いパワー加算は全て無言で行われる。トーナメントと同じく正解の問題数・難易度に応じた石ボーナスあり。



その他、キャラのコスチュームは先生含め殆どが一新。初期からいるキャラは10年以上姿が不変だったが、ここにきて大なたを振るった。従来の立ち絵廃止はこれも理由の一つとなっており、嘗て絵が下手だ下手だと罵倒されていたが無くなるとかなり違和感を感じるもの。一部は髪型も変わっている。クイズ画面の他、ストーリー中に台詞を話している場面でも常にメインビジュアルの絵が表示され、その姿のまま微動だにせず口だけ動く。ユリなど一部はかなり激しいポージングでどう見てもこういう場面で使う絵ではないので、その状態で体が動くことなくベラベラ話す様はかなり違和感がある。
キャラの声はやはりそのまま、これだけモデルチェンジしてもここだけは予算が無いのかずっと不変。前作で目立っていたヴァニィは本名のヴァネッサ名義で校長と共にストーリー中のみの出演、事実上の隠居となった。2人とも公式ページではCVとして声優名が表記されているが、現段階ではゲーム中に喋る場面はほぼ無い。



マイルーム・購買部は見た目が変わっただけでほぼそのままといった感じだが、専用BGMが廃止されてモードセレクト画面と共用になっている。アイテムの画面切り替えの遷移が少し遅くなっており、連打してもあまりさっさと切り替わってくれない。
店内対戦・サークル対戦でも石が入るようになり、これにより個人的に対戦も成績に加算する必要が出てきた。




一通りやってみて、これまで長らくいわゆる「剣と魔法の世界」を主軸に置いていたQMAではあるが、根がクイズという何にも依存しないジャンルなので、現代日本が舞台に変わっても意外と馴染む。マンネリ感の打破には丁度良かったのかもしれない。
そして全体のテンポの速さには大満足。前作での実況が飛ばせないテンポの悪さには初日から辟易していたが、これだけ速くなるとぐうの音も出なくなる。こういうのを待っていた。あまりに速いと逆に1回当たりの時間が短くなってしまいそうになるが、そこは順位決定戦で上手い具合にカバーされている。


欠点は、東京での発表会で既に発覚していたが、エフェクトとキューブの問題文がすぐ消えること。これまではタイピングの動画問だけが対象だった。問題文が消えるとヒントも失うことになり、また見逃してしまうと同じヒント・文章でも違う解答・読みになる問題も多々あるので、これは早急な対策が必要。もう既に多くの要望が出ているので、来月のアップデートで改善されそうな気もするが、されなければこの2形式がかなりの地獄と化す。
ついでに、個人的に正解と不正解の画面・SEがよく似ていて判別しにくい。もう少し差別化してくれると分かりやすい。
暁ではクソ仕様につき初日以降しばらくプレーを見合わせたが、グリモワはまだ普通にプレー出来る方。というかレベルを上げないと形式も制限されるわグリバスの難易度も制限されてオンオフに支障が出るので、寧ろ積極的にプレーして早急に上げる必要がある。といってもまだ始まったばかりでまだまだ不明点もあるので、注意点やセオリーなど情報収集も並行して行う。