宇都宮の貸切バス会社「キャリー交通」が特定輸送(送迎)用に使用しているセレガRハイブリッド。元々は環境に配慮しなくてはならない国立公園等を走行する山岳路線用の車種であるため、ラインナップは短尺のみ、実際に活躍している場面も知床・上高地・立山といった設定通りのところばかりであり、都市部での使用例は極めて稀。ディーゼルのノーマル仕様がモデルチェンジした後も、ハイブリッドだけはセレガRのまま継続生産された。
中でも型式「VM-RU2PPFR」を持つこの最末期仕様はそれまでのモデルと違い、灯火規制の影響で色々外観に変化が生じている。特にこのリヤビューは、それまでのテールライト位置だと高すぎて規制に引っかかるため、テールライト風の赤いガーニッシュで元の位置を丸ごと埋めてしまい、副灯があった位置にウインカー、その上にテールライトを取り付けるという、半ば応急処置のようにも見て取れるかなり無理矢理感のあるスタイルになっている。側面のリフレクターはディーゼル仕様だと中央と最後部に付いているだけだったが、規制に従い数十cmおきに取り付けられている。
元々生産台数の少ないセレガRのハイブリッドだが、最末期モデルに関しては殊に少なく、最も且つ唯一名の知れたユーザーである立山黒部アルペンルート用(立山黒部貫光)の他にはこのキャリー交通の1台くらいしか導入されておらず、生産台数はほんのごく数台という大変希少なモデル。一応年間目標は20台だったそうだが、あまりに売れないからか1年少々で生産が打ち切られた。
その後数年のブランクを経て、ハイブリッドも現行セレガにモデルチェンジした上で復活。エンジン出力も上がり、フルサイズ仕様がようやく追加されたことから販売台数は急伸、現在は定期観光や高速バスでの使用が目立つ。