京都府による観光政策の一つ。複数の事業者にわたって、これまでになかったエリア・組み合わせでの乗り放題タイプの乗車券が本日から発売。いずれも利用促進のために、各事業者個別の一日乗車券よりかなり安価に設定されている。但し全券種数量限定。
- 海の京都エリア
- 一日券2200円・二日券3000円
・有効区間 丹鉄全線+特急自由席 丹海バス200円以下区間+遊覧船 京都交通一般路線
北部の主要民間交通で使用可能。最も範囲が広く、唯一鉄道線(丹鉄)でも使用可能。だからなのかこれのみ連続2日有効の二日券もある。
丹海バスで運賃が200円以上になるエリアは、与謝線32系統の福知山市内エリア(与謝峠~福知山駅・共栄高校)のみ、しかも数年前に減便して今は平日3往復しかないので、事実上ほぼ全線で有効。丹海バス全区間と京都交通の福知山エリアは単独の既設の一日乗車券がない。
丹鉄の既設の乗り放題乗車券である「天橋立・伊根フリーパス」は、丹海バスは傘松ケーブルが使える代わりにバスは一部区間のみ。それでいて一日券3550円・二日券4550円。上記に加え全但バスの豊岡地区でも使える「幸福パス」もあり、丹鉄の特急が乗れない代わりに丹海バスは全線有効になるが、三日券しかないので5800円と高い。それを鑑みてもお得な価格設定だが、この乗車券の最大のキモは、京都市内~北部エリアの往復に特急を使うと、二日券は約6割引きの1000円、一日券に至ってはほぼ9割引きの200円という超激安価格で買えること。京都~福知山の場合、普通列車は1520円、自由席は2510円で、往復となると3040円と5020円。ここに一日券/二日券を足すと、普通列車でも自由席でもほぼ同額。西舞鶴発着の場合でもほぼ同じ。山陰線京都~福知山の普通列車は大多数が園部で乗り換えになる上に、園部以北では頻繁に特急の通過待ちが発生するので、実質タダで特急に乗れるのは大きい。
尚、2日使うなら割引後の一日券を2枚買った方が一見はるかにお得だが、数量限定という性格上、割引価格では1往復につきどちらか1枚しか買えない。
- 森の京都エリア 亀岡・南丹版
- 1500円
・有効区間 京阪京都交通亀岡・南丹エリア 南丹市営バス全線
京阪京都交通のうち、コミュニティバスは使えるが、高速道路を経由する京都市内~先端科学大・鍼灸大の路線と、園部~鍼灸大では利用不可。
京阪京都交通の既存の一日券は、亀岡エリアのみが1000円、南丹もプラスしたバージョンが1200円。南丹市営バスの方も単独の一日券があり、こちらは1500円。やはりこちらもかなりお得な価格設定。
南丹市営バスは、合併した各旧町を結ぶ美山園部線を中心に、特に元々鉄道がない旧美山町で路線が多い。旧京北町内にも路線があり、かつての国鉄バス→JRバス京鶴線代替の一角をなす。但し日祝は大半の路線が運休になってしまう。又、元は旧美山町と旧日吉町の町営バスという経緯から、旧園部町には殆ど乗り入れがなく、美山園部線のうち日祝以外の朝夕の計2往復のみ。平日のみ京阪京都交通の園部~日吉~鍼灸大の路線があるが、この路線は上記の通りパス利用の対象外。園部~日吉間は1時間に1便の普通列車での移動が強いられる。
- 森の京都エリア 美山京北バスたび木っぷ
- 2300円
・有効区間 JRバス(京都駅~)北野白梅町~周山 京北ふるさとバス全線 南丹市営バス全線
こちらは亀岡の代わりに京北を入れたバージョン。JRバスは京都駅~白梅町間は途中下車不可。これに限り、紙ではなく木で出来た乗車券。これを使えば、かつてのJRバス京鶴線の区間である京都駅~鶴ヶ岡を1枚で丸々トレースすることが可能。
ふるさとバス自体も、元々京鶴線の支線で構成されており、中心地の周山から放射線状に路線網がある。やはり日祝は大きく減り、平日でも曜日によってダイヤが変わり、周山周辺以外は終点まで殆どが各路線単独の区間になるので中々乗りにくい。だが既設の一日券は無く、距離制運賃で値も張るので乗りつぶしのチャンス。
- お茶の京都エリア
- 1000円:
・有効区間 京都京阪バス コミュニティバス以外の一般路線全線 京阪バス一般路線 奈良交通和束木津線(加茂駅~和束町小杉)・加茂駅~浄瑠璃寺~岩船寺
南部で唯一設定される乗車券。京都京阪バスは既設の一日券が1300円なのでやはりお得設定。どちらの券もコミュニティバスでは使えない。京阪バスは一般路線としか書いておらず、直Qや比叡山方面では使えないが、四条畷のコミュニティバスで使えないと書いてある限り、どうも樟葉以外の大阪エリアでも使える模様。但し京阪バスでは石清水八幡宮駅と新田辺駅でしか売っておらず、恐らく大阪エリアでは知られていないので、かなりの確率で咎められるはず。
奈良交通のうち、和束木津線は路線名と異なり加茂~和束での運行となっており、木津方面は既に廃止。浄瑠璃寺・岩船寺方面は、木津川市のコミュニティバス当尾線として運行されているため、奈良交通の公式ページには載っていない。加茂エリアから木津エリア以遠へのバスは存在すらせず、京都京阪バス・京阪バスのエリアからはかなり離れているため、行き来する場合はJRに乗る必要がある。