市バス新運転計画

来年3月に大規模改正を控えている市バスだが、その詳細が発表されたので掻い摘まんでいく。
何らかの時間帯で増便される系統は5・27・59・特93・101・205・207・208・南2の各系統。来年の新車は公営の大手事業者としては珍しく20台以上もの大幅増車となるため、増便系統も多く設定された。このうち101系統は現在の便数から一気に倍増され、ダイヤ間隔も30分から15分に半減。既に100系統が同様の手法で増便し成功しているので、事実上の第2弾といったところか。これに合わせて専用車両も増えるのかどうかも注目される。またダイヤ調整は91・93系統の丸太町通りの区間、20・22系統の大手筋通り中書島区間、1・37系統の夜間の北大路BT発車時刻でそれぞれ交互に運行されるパターンダイヤ化。


系統新設は、土日に限り京都駅〜四条河原町河原町三条・三条京阪をノンストップで運行する「四条河原町ショッピングライナー」。以前4系統が同じような運行形態だったが、こちらは需要を京都駅〜四条河原町周辺に特化した上で事実上の快速運転復活となる。また206系統と100系統を合わせたような経路の「岡崎・東山・梅小路エクスプレス」も開設。ルートが現在運行している「水族館・東山ライン」に酷似しており、快速運転・土日運行という点も同じだが、「水族館・東山ライン」は寄らない京都駅や動物園を経由するなど利便性はこちらの方が上。開業後に「水族館・東山ライン」の廃止を含めた処遇はまだ不明。
経路変更等では、18・特18系統は土日昼間のみの二条駅西口発着を一気に全日全便に拡大、20系統も現在は1日数便のみでレア系統と化している淀経由便をやはり全便に拡大するが、これについては淀駅のバスターミナルが整備された時点からの変更となるものの、供用開始予定は25年度内ということで改正と同時に変更される可能性も残っている。
27系統は天神川・西大路・五条・葛野大路の循環ルートから西大路四条以南の運行を止め、代わりに四条烏丸まで延伸。かつて27系統は三条京阪発着、それ以前は錦林車庫発着で四条通りも通っていたため、一部区間でありながらかつての運行区間が復活した形になる。従来の27系統の経路もそのまま特27系統として残され、こちらも系統番号だけだが地下鉄東西線開通に伴う廃止以来十数年ぶりに復活。これと同時に203系統との無料乗り継ぎは廃止、資料によれば乗り継ぎ客はかなり減っていたとのこと。
開業以来好調な70系統はまたまた延伸、今度は桂川駅から洛西営業所がある小畑川公園北口発着に変更。洛西バスターミナル発着ではないのが気になるところだが、営業所最寄りでありながら長らく起終点としている路線が無かった小畑川公園北口にも起終点路線が誕生する。
現在は事実上の免許維持路線として、1日2往復しか運行されない特37系統は西賀茂車庫から北に進み柊野方面に延伸。以前地元紙にも載っていた区間で、偶然にも同じ系統番号である京都バスの37系統廃止以来、地元住民が代替を求めていたという。便数は1日9便に増え、恐らく日中中心に60分間隔程度で運行されるものと予想。市バス最北停留所も大原方面の廃止以来長らく産大前だったが、この延伸で柊野に変わる。
81系統は現在特81系統として運行している竹田駅経由便を大幅に拡大、経由しない便は朝のみに縮小される。特81系統としては明記されなかったため、事実上81系統に統合される可能性がある。
現在「臨」として運行しており、事実上の出入庫路線ともなっている西大路四条〜立命館大間の路線を205系統に組み込み、大将軍以北の区間を馬代通り経由に変更した上で便数も倍増。このうち等持院道〜小松原児童公園間が新規路線となり、一部は廃止されたかつての52系統以来のバス路線復活となる。
かつてNを付けた系統番号で運行していた深夜バスも復活。今回はMNを付けた系統番号に変わり、17・205・特西3の各系統が24時にそれぞれのターミナルを発車。他社同様深夜の割り増し運賃が設定され、恐らく通常運賃の倍くらいになるのではないかと思われる。深夜バスを運行しない系統でも夜間の増便・終発繰り下げ系統が多く設定される予定。


バス停名は主に鉄道の駅最寄りの停留所に駅名を冠したスタイルに変更。市バスお得意のサブネーム付きのバス停が更に増えることになり、特に岡崎公園周辺は全バス停にサブネームが付く。


同時に民間への委託先も整理され、横大路はJRバスが抜けて阪急バスとMKに、そのJRバスは京阪バスが受託していた梅津の一部を担当、また洛西は阪急バス・近鉄バスから近鉄バスに一本化。西賀茂は京都バスに一部を委託していたが再び全路線直営に戻され、変わって直営の錦林が全路線京都バスに委託されることになった。錦林の委託台数は今の所属台数と変わらないため系統の管轄変更は行われないと思われ、そうなると岩倉方面は再直営化される反面17・102・203系統が委託となり、特に203系統は市バスのドル箱であるはずの循環系統で初の委託路線となる。



ざっと見た限り、増便や嘗ての経路復活などかなりプラスな事項が多く、逆にありがちな減便・廃止は資料を見た限り全く見受けられなかった。もしかすると今後何らかが出てくるかもしれないが、ただでさえ斜陽なバス事業の中でここまでの規模の改正で減便・廃止が無いのは全国的にも異例。どうしようもないほどの大赤字から一転して黒字を連発するほどまでに回復した市バス、この波に乗って一気に攻め込んでいる姿勢がよく分かる。