復刻カラー車

ここ数年バス業界で流行りつつある、旧塗装の復刻ブーム。大体周年記念で在来車の塗装を変更して登場させることが多く(大手は新車で導入)、若年層には新鮮さを、高齢者には懐かしさを与え話題作りに一役買う存在になっている。
ここではこの1〜2年に登場した各地の旧塗装車をピックアップ。
・山交バス…前身の山形交通70周年記念。30年前まで使われていた赤いカラーリングを中古車4台に施し順次導入。同社一般路線の中古バスはこれまで地方の割に殆どいなかったが、ここ数年徐々に増えつつある。
茨城交通…昭和末期で消滅した、赤色が目立つ旧カラーを京王バスから移籍した中古車2台に施行。
国際興業グループ…50年代に存在したカラーリングを飯能の古参車両に、90年代まで施行され年末に全車廃車される、現在より緑のトーンが暗い旧カラーをさいたま地区の新車4台にデザインし導入。
・都営バス…渋谷の在来車1台にオレンジ帯が無いツーステップ時代のカラーリング、但し塗装変更ではなくラッピングで済ませている。先日の晴海でのイベントで突如登場、その後も一般路線で使われているが、公式からのニュースリリースが無く詳細不明。
京王電鉄バス京王グループ100周年記念。歴代のカラーリング4種を、13年の1〜3月に導入されたふそう大型の新車全11台にデザイン。高速バス専門の世田谷を除く全ての営業所に最低1台は配備されている。
・東急バス…分社20周年記念。東急電鉄直営時代からの歴代のカラーリング5種を路線・リムジンの新車計5台にデザイン、他在来車も塗装変更で旧塗装になった例がある。ここ数年の旧塗装ブームの先駆けのような存在で、バリエーションの多さと元からファンが多い東急バスだけに、様々なサイトで取り上げられた。
北陸鉄道…70周年記念。ローザベースのボンネットバスで運行している「城下まち金沢周遊バス」のうち1台を70年代まで運行していたボンネットバスと同じカラーリングに変更。
名鉄バス…在来の高速バス2台にかつてのカラーリング2種をデザイン。元々はツアー扱いで1回限りの運行だった名金線のリバイバル運行のためだけに変更したものだが、現在も旧カラーのまま運行。どこから手に入れたのか昔のふそうエンブレムまで付けるほどだが、高速バスな上に運用は不定なので見つけるのは至難の業。
三岐鉄道…在来車1台を90年代初頭まで使われた赤基調の旧旧カラーに復刻。四日市市の自主運行バスに専属投入されているため捕まえやすい。
近江鉄道…新たに導入した2台をライオンズカラーになる前の旧塗装にデザイン。シート色も当時と同じものに変更、ナンバーも希望ナンバーで1番と2番を取得。車両自体は同社が多く導入している西武バスの中古だが、車体は中古では初めての富士重工新7E型となっており、自社発注車以来10年ぶりの導入。
・阪急バス…85周年記念。千里の在来車1台を旧塗装に変更しているが、現在の塗装とほぼ同じであり、色合いや一部のアレンジが若干異なる程度。遠目だとあまり見分けがつかない。
奈良交通…緑基調の旧旧カラーを新車のエルガノンステップ1台にデザイン。沿線に多くの世界遺産が点在する同社きっての観光路線「奈良・西の京・斑鳩回遊ライン」に専属されている。
和歌山バス那賀…分社22周年記念。親会社である和歌山バスの旧カラーである赤白のツートンカラーを南海ウイングバス南部からの中古車に施行。車内は南海バスのままだが、外装はワンマン表示やゴムの縁取りを再現した入口出口表示、わざわざ昔のロゴをアレンジした自動扉や社名表記など結構細かい。
一畑バス…前身の一畑電鉄100周年記念。昭和末期ごろまで導入されていた青い旧カラーを纏った車両を新車で2台導入。中型は松江、大型は出雲に配備。