撮影写真より


広電バスの2011年式CNGノンステップバスCNGバスはディーゼル車よりも大幅にクリーンということで00年代に注目され、特にノンステップモデルにボンベが搭載できるようになってから、環境性能とバリアフリーの両立が可能になったため大手事業者を中心に採用例が増えていった。だが、ディーゼル車に比べてパワーがない・ガス充填施設が大幅に少ない・航続距離が路線バスにとって致命的なくらい短い、と欠点が目立ち始め、現在はこれらの欠点を全て解決したハイブリッドに取って代わられ、CNGバスはみるみるうちに採用事業者が減っていき、メーカーからも徐々にカタログ落ちしていった。現在は大型・中型ともいすゞのみが生産し、なかでも大型は現在の22年排ガス規制(LKG-・LDG-)に適合させる際もカタログ落ちさせることなく新規制適合車を発売した。いすゞはハイブリッドバスが未だ開発中であり、その発売までのつなぎとしてCNGをラインアップし続けているのかもしれないが、近年CNG車の導入例は殆どない。
写真の広電バスはかなり積極的にエルガCNGを導入している事業者。恐らく今後かなりのレア車種になるであろう現行のエルガCNGも今年になって導入。どこの事業者も低公害バスはハイブリッドにシフトしているご時世なので、ネットで調べても現行エルガCNGの導入例はこの広電しか引っかからない。広電にはCNGもいればブルーリボンIIもいるのに、何故か肝心のハイブリッドは高速用のセレガだけで路線用のブルーリボンシティには未だに1台もいない。何か理由でもあるのだろうか。
車内は近年の広電バスと同様、ごついハイバックシートが並ぶ。一般的にはコスト削減と標準仕様ノンステップバス制度の流れをくんで、ノンステップ・ワンステップ関わらず小さいシートやオレンジ1色の握り棒など全国的に統一されつつあるが、その流れにまるで逆行しているような感じ。このバスは握り棒の配色も特殊なため、標準仕様ノンステップバス制度に適合されていない。