撮影写真より


小松バス→北鉄加賀バスで、小松駅小松空港の直行便に「EVバス」として使われている車両。未来的なカラーリングに、ポンチョでは珍しいアルミホイールで、いかにもEV然とした見た目だが、その正体はEVでも何でもない、どこにでもいるただのディーゼルのポンチョ。
嘗ては全く同じカラーリングで本物のEVポンチョが使われていた。しかも、今や改造車以外では中国車がほぼ100%のシェアな中で貴重な日野純正。フロントマスクはEVポンチョオリジナルで、車内も宇宙船をイメージした『宇宙バス』でもあった。
駅~空港の路線に投入されたが、各停留所に停車する並走の一般便と違い、EVバス便はノンストップ。更に駅側は駅の裏にある「サイエンスヒルこまつ」、空港側は安宅の関がある住吉神社まで延伸していた。ただ、元々駅~空港はそこまで遠くないため、各停便も直行便も所要時間はほぼ同じだったりする。
しかし、8年ほどでひっそりと引退し、代わりにこのそっくりなディーゼル車が入った。ナンバーまで同じ*1だが、フロントマスクはノーマルのままで、内装も宇宙船仕様ではなくなりただのポンチョそのものに。現在小松に於ける「EVバス」とはバス車両というよりは、空港直行便の便名に近い意味合いで使われている。
小松の他に羽村・墨田の計3台だけ作られたEVポンチョはそもそもEVが普及するはるか前、10年ほど前の設計であり、航続距離は僅か30km、それでいて価格はノーマルポンチョの4倍の8000万円。現在小型EVバスの主流であるBYD・J6は航続距離220km、価格はノーマルポンチョとほぼ同じ2000万円弱という激安価格。EVバスでは日本メーカーが全く太刀打ち出来ないのも分かる。EVポンチョは'21年3月で3台とも一斉に引退し、自社開発も諦め、車体以外はJ6のOEMであるポンチョZを発表したものの、発売を1年延期、更にその後無期限凍結にされてしまった。

*1:EV…石川230あ・・99/ディーゼル…石川230い・・99