撮影写真より


京都バス55号車。富士重工5Eを架装した84年式のUDで、通常は大体15年程度で廃車されるのに対し、この車含む同年式3台は15年で廃車されず後扉を埋めた貸切車に転換、結果的に20年以上京都バスで活躍した。
この車の特徴は、84年以前のU・UAシリーズでは標準だった後部や非常口下部まで広がっているエンジン通気孔。翌年に改良されて後部と非常口下部については塞がり、残った最後部の通気孔もかなり小型化されてかなり「普通」なスタイルになった。京都バスや他の事業者の5Eがどんどん減っていく中でもなお生き残ったこの通気孔が大きい旧タイプは、末期はかなり希少性があった。
数年前にもこれについて取り上げたが、それ以降の動向として、その希少性に目を付けられたのか、京都バス公式ではあまり公言されていないものの、この55号車は廃車後タカラトミー子会社の鉄道模型メーカー・トミーテックに引き取られ、本社のある栃木・おもちゃのまちで保存されている。同社はヒットを飛ばしたNゲージ=1/150というスケールの小型のバス模型「ザ・バスコレクション(バスコレ)」で知られ、この車両も保存後たびたび立体化されている。同じく保存されている国際興業いすゞBUと共に、イベントでも時々出展される模様。