長いバス停

京都市バスには何故か普通のバス停に、まるでサブネームかのように「○○前」を後ろにくっつけた、妙に長ったらしい名前のバス停が多い。ここでちょっと取り上げてみよう。
ちなみにサブネームの部分は学校になっている場合がやたら多い。

博物館三十三間堂前(東山区)

サブネーム付きのバス停では最も古く、市電がまだあった数十年も前からこの名前を名乗っている。京都国立博物館と、七条通りを挟んで向かいにある三十三間堂が由来。東山七条→博物館三十三間堂前間は距離が短いこともあり、車内アナウンスがすぐ終わる。

京都会館美術館前(左京区)

岡崎公園内にあるコンサート会場・京都会館京都市美術館をくっつけたネーミング。こちらも歴史が長いバス停名。ここをループ線状の終点としている46系統は、京都会館の前にあるバス停を「京都会館前」、美術館の前にあるバス停を「美術館前」と独自に分けて停まる。46系統はここ以外にも四条大宮南行きのみ2回停車する。

常盤・嵯峨野高校前(右京区)

丸太町通り沿い、嵐電常盤駅の部分にある。元々は単に「常盤」というバス停名だったが、いつしか付近にある府立嵯峨野高校がサブネームとして付いた。車内放送の音声合成化前に制定されたバス停名はここまでで、これ以下は近年になって変えられたもの。なので音声合成での車内アナウンスでは、明らかに後から切り貼りして付けたような変なトーンになっている。

上終町京都造形芸大前(左京区)

白川通りと東鞍馬口通りの┤型交点。「かみはてちょう」と読む難読バス停で、丁度交差点の真っ正面に建つ京都造形芸大のサブネームが付けられた。同大学がデザインした北側の南行き停留所は、屋根が瓦という変わった造り。

広沢池・佛大広沢校前(右京区)

大覚寺の近くにある広沢池最寄りで、59系統の一部便延伸によって新たに設置されたバス停。完全な盲腸線で、三条京阪行き・山越中町行きともに東からやって来て停留所でUターンし戻っていく。佛教大学広沢キャンパスには学部はなく、グランドや付属幼稚園がある。

千本三条・朱雀立命館前(中京区)

二条駅四条大宮の間にある、市内中心部では珍しく南北の道の流れが斜めになるところ。交差点北西にあった空き地に立命館が進出することになり、竣工に先駆けて改称。滅多にバス停名を改称しないJRバスですらこの名前に変更した。

京都駅八条口アバンティ前(南区)

京都駅の南東端、竹田街道と八条通りの交点。京都駅八条口とあるが駅舎からは少し距離がある。昔の名前は「八条竹田街道」、更に前は市バスの車庫が存在し「八条車庫前」を名乗っていた。その跡地に市が建てたファッションビルがアバンティで、空港バスや京阪高速バスも発着(バス停名はいずれも京都駅八条口(ホテル京阪前))。ここの西にはアバンティ前が付かない普通の「京都駅八条口」バス停もあるのでややこしい。

京阪中書島・伏見港公園(伏見区)

中書島駅南側にあるバスターミナル。ここも竹田街道沿いにある「中書島」バス停とは別で、更に中書島には停まるものの京阪中書島には停まらない便もあるので更にややこしい。伏見港は湾ではなく宇治川の港として戦前まで機能していたが、現在は単なる遺跡でしかならない。

五条大和大路・東山開睛館前(東山区)

23年3月末の改正で新登場するサブネーム付きバス停。五条大和大路は醍醐営業所が存在していた頃から西行きしか存在せず、営業所廃止による管轄路線全廃後は西行き路線が消滅したためバス停も廃止されていた。今回、バス停付近に東山区の北半分の全小中学校を統合した小中一貫校「東山開睛館」を竣工するにあたり、通学用路線を新設するためバス停が名前を伸ばして復活、合わせて初めて東行きにも設置された。

一条戻橋・晴明神社前(上京区)

堀川通り沿い。これも23年3月の改正で新たに登場したサブネームバス停で、元々は「一条戻り橋」。陰陽師で有名で、ここ最近はパワスポブームで再び注目が集まる晴明神社の最寄りであるが、いまいち分かりにくいこともあり、また戻橋自体も安倍晴明と繋がりがあることから、完全な改名はせず市バス恒例のサブネーム方式にして旧名も残した。改名で微妙に戻「り」の部分が無くなっている。