こいつは驚いた。日産ディーゼルの改称に続き、西日本車体が遂に解散のXデーを迎えることになってしまうとは。親会社・西鉄のバス路線大リストラが発表された矢先の解散記事。かつての富士重工のバス製造撤退に続き、またしてもUDの純正車体メーカー消滅という悲劇が繰り返されることに。解散が8月ということで、実際の受注はそのひと月くらい前くらいで終了になりそう。この解散を以て、非メーカー系の「バスコーチビルダー」という企業は国内からは絶滅することになる。
これで、日野車で進められている西鉄バス一般路線のメーカー純正車の全メーカー拡大も決定。数年前まではまるであり得なかった、西鉄バスのエルガやエアロスターというのが実際に導入される可能性が出てきた。もっとも、近年UDばかりを導入していたのは純正車体が西工であったということなので、西工亡きあとのふそうとUDの統合以降はどのメーカーのバスが導入されるかは全く不透明。高速バスでは、夜行はここ数年ふそうエアロクィーンを導入しているのでこれは継続となるが、短距離用の路線車ベースのいわゆる「B高」や中距離用で路線車をベースとしたハイデッカー「E-III」はこれで消滅するため、こちらは現在まで1台も導入事例のない純正車を今後導入することとなる。
他の西工ヘビーユーザーである阪急バスも、いすゞ/日野の大型で架装されていた西工分は以降純正に切り替わるはず。ここも以前は全メーカーを西工で揃えていたが、05年以降路線は徐々に純正が多くなっていき(高速はこの年限りで中止)、昨年はもう大半が純正となっていた。一方、ヘビーユーザー且つかつての最東端ユーザーだった京都市バスの場合は、既に入札で今年度はブルーリボンシティハイブリッド2台のみに決定しているため、昨年度のRAとLVワンステップが最後の西工となってしまった。末期にはそれまで僅かしか存在しなかった、日野KVノンステップの西工を大量導入したりしてお得意様らしさを見せていたが、それがもう二度となくなるとなるとやはり寂しい。
気になるのは西工65年の最後を飾る最終製造車がどこに入るか。富士重工の時はたっての願いで東濃鉄道に入ったが、今回は他社の要望でもない限り親会社の西鉄に入るのか、それとも特にそういう括りはなしでたまたま最後になったところに入るのか…。