ディーラーを傘下に持つバス会社

バス会社の中にはメーカーの販売ディーラーを子会社に入れているところだってある。普通乗用車のディーラーを傘下におさめる例(広交グループの広島日産・福山日産など)も多いが、ここではトラック・バスメーカーのディーラーに絞ってみた。
いずれのディーラーも正式名称は○○自動車販売や○○自動車となっているが、ここでは省略。
・神奈川ふそう…神奈中グループ
 神奈中は小田急グループであるため、神奈川ふそうも広義の小田急グループといえる。全国最大級のバス事業者である神奈中は古くからふそうのバスを大量導入、神奈中の特注モデルがその後カタログモデルに昇格したことだってある。
ふそうのディーラーは、殆どの販社がふそう本社に統合されて、それぞれの地域ごとに南関東ふそう・近畿ふそうなどの名義になっているが、地場企業の資本が入っている販社は統合対象から外され、現在も存続。
・岡山ふそう…両備グループ
 両備グループとふそうが折半して出資。両備バスは基本的に全車ふそうだが、子会社の岡電バス両備タクシーは貸切車の一部に日野がいる。
・沖縄ふそう…沖縄バス
 40年近く前に導入され未だ現役の730バスもふそう、全国から取り寄せている中古車までも他メーカー製車両は入れずわざわざふそうに統一。貸切バスも同じ。
・北海道いすゞ国際興業グループ
 本来は北海道の西半分が営業エリアだが、系列は東京と埼玉が営業エリアの国際興業。一部の小型バスを除いて全車いすゞに統一、しかもわざわざ北海道いすゞをディーラーとして導入している。恐らく書類上だけで、車両そのものは一々北海道を経由したりしないとは思うが。
・三重いすゞ…三交グループ
 設立当初から三重交通グループ、更に広義では近鉄グループ。元々からいすゞ比率が高いが、純正のほか富士重工製車体も多く、近年は日野も同程度導入、貸切と高速は加えてふそうの導入実績もある。但し神都バスや電気バスといった特殊車両はいすゞが指定メーカー。
・日ノ丸総本社(日野)…日ノ丸バス
 日ノ丸バスの母体。ディーラーではなく代理店という形だが、鳥取東部に日野のディーラーが無いためここが鳥取東部のディーラー代わり。隣の島根日野が元々日ノ丸バスの傘下だった。
・愛媛日野…伊予鉄グループ
 三重いすゞ同様、事業者である伊予鉄が直接設立。このため日野の資本は無く現在も100%伊予鉄が出資。伊予鉄のバスはコミュニティバスから夜行高速バスまで、モノコックバスの時代から全車日野の新車。新型ブルーリボンもデビュー早々に導入済。