近鉄・京都〜名古屋間の考察

金券屋やオークションで売られている株主券を利用すると1500円前後で行けてしまうこの区間(JR・近鉄とも通常運賃は2520円)。しかし東海道本線に比べて50キロ・2時間も遅いためそれなりのリスクもある。ここでは簡潔にどのようなダイヤになっているのか見てみる。各所要時間は平均的な時間。

京都〜大和西大寺
普通…55分/急行…40分(特急…28分・特急料金500円)

約35キロある当区間。急行の中には40分を切るダイヤも存在するが、一方普通は1時間近くかかる。特急は途中停車駅が丹波橋しかない(一部は高の原にも停車)ためその約半分の時間で走り抜ける。
データイムは3種別が1時間に4本ずつ運行するダイヤ。朝夕には普通より若干停車駅が少ない準急もある。

大和西大寺〜大和八木
普通…29分/急行…22分(特急…16分・特急料金500円)

距離は約20キロ。一部の急行・特急は京都線橿原線直通列車が存在し、西大寺での乗り継ぎを省略できる。但し急行のうち天理行きは途中の平端で乗り継ぎとなる。因みに特急はこの区間をノンストップで走行する。
データイムは特急2本、急行3本(うち天理行き1本)、普通5本(うち天理行き1本)と各駅停車がやや多めなダイヤ設定。しかし急行と普通の時間差は10分ないので距離的に考えても妥当。

大和八木〜伊勢中川
急行…63分(特急…47分・特急料金870円)

京都・大阪〜名古屋間で最も不便な大阪線の東部分。70キロ、20駅以上あるにも関わらず急行は大半の駅に停車するためあまり優等列車の意味を持たない。更に後述の通り普通列車の本数自体も少ないためどうしようもない。尤もこの区間近鉄屈指の過疎区間で、乗り通す客の大半は特急に乗る。実際、沿線風景も山ばかり。
データイムは特急・急行が3本(急行のうち2本は途中の青山町まで)、準急が2本、普通が1本。朝夕には快速急行区間急行も入る。しかし準急・普通とも大半の便は途中の榛原まで、残りも名張までしか行かないため、実質普通列車は朝夕の快速急行区間急行と毎時1本の急行、名張での乗り継ぎが強いられる各駅停車(名張〜中川は毎時1本)しかなく、上手く乗り継げるダイヤで行動しないとかなり待たされる羽目になる。
中川側もデータイムは特急3本、急行1本、普通は東青山止まりと名張止まりが1本ずつ。東青山からの西行き始発列車は存在しないためこちらも実質普通列車は毎時2本となる。

伊勢中川〜近鉄名古屋
普通…145分/急行…80分(特急…60分・特急料金870円)

八木〜中川間よりも倍の駅数があるのだが、実は距離的にはそれより数キロ長いだけ。しかしやはり駅が多い分所要時間は長く、各駅停車に至っては2時間以上かかる。
中川側のデータイムは特急2本、急行3本、普通3本(うち途中の白塚止まりが2本)と急行の方が多いため全て各駅停車で乗り通すということはない。名古屋側は当然ながら多く、特急4本、急行3本、普通列車3本(うち中川行きは1本)。他にも準急も2本あるが、こちらは富吉までしか行かない愛知県内完結便。単なる出入庫運用のため途中停車駅は蟹江のみ、所要時間にして10分ほどしかない。