鳥取→松江間乗り継ぎ

鳥取の2大バス会社である日本交通と日ノ丸自動車が発売している乗り放題手形という乗車券がある。高速バスと一部空港バスを除いた全路線が乗り放題、しかも3日連続。それでいて1500円=一日当たり500円という破格値。これを用いてどう乗ろうかと考えたが、この際だから鳥取〜松江間約130キロをバスで行ってみようと思いついた。確かに実際1年ほど前までは本当に路線バスだけで行くことが出来たし、検索すれば実際に乗り継いで行った人の記事もいくつか出てくる。
しかし地方故に両社とも一般路線の経営は非常に厳しく、改正の度に減便・廃止を繰り返し、現在は鳥取を中心とする東部、倉吉を中心とする中部、米子を中心とする西部の3つに完全に分かれている。ここでは3分割された現在の状況下での乗り継ぎをやってみた。
09年4月より乗り放題手形は1800円に値上げ。

日ノ丸バス鹿野線・鳥取駅→浜村駅(→鹿野):63分680円

まず乗り込んだのは浜村経由鹿野行き。嘗ては少し先の青谷駅までがあったがいつの間にかなくなった。車両は40キロの道を60キロで爆走するHR。どうも田舎のHRは飛ばし気味なのが多い気がする。

日ノ丸バス浜村〜青谷線・浜村駅青谷駅:17分380円

山陰本線では隣の駅になる浜村青谷間。鹿野線は1〜2時間に1便だがこちらは一日5往復のみ。しかも運賃はJRの180円の倍以上。しかしこちらは鹿野線同様日本海のオーシャンビューを眺めることができる。
本路線は09年9月末を以て全線廃止・完全予約制の乗合タクシーに移行。バス路線としては実質的にこの区間は断絶したと言える。

日ノ丸バス青谷〜長和瀬線・青谷駅→長和瀬:11分240円

少し前までなら青谷駅から直接倉吉に行けたが、路線短縮で湯梨浜町内までとなったため、この路線で途中の長和瀬という集落まで行く。当路線はその青谷〜倉吉の廃止代替路線だが、一日の便数は僅か4便。やって来たのは先ほどの浜村→青谷まで乗ったのと同じ車両&運転手だった。気まずすぎる。

徒歩・長和瀬→小浜・石脇:20〜25分

長和瀬からはバス路線がないためひたすら9号線を歩く。横手には海が広がっているが、この区間は見ての通り岩礁なので泳げない。陸地なのに蟹がいたりしてびびった。

日本交通橋津線・(小浜)石脇車庫→倉吉駅(→西倉吉):44分560円

これが嘗て青谷から発着していた路線。今は大体60分に1便が湯梨浜町(旧泊村域)の石脇から発着しているが、一日5往復だけ一つ西隣の小浜発着便がある。石脇「車庫」という名だが実際は車庫ではなくただの回転場。経由地は2種類あるがどちらも所要時間はあまり変わらない。この時の車両は補助椅子まで付いた堂々とした図体の長尺車。

日ノ丸バス赤碕線・倉吉駅赤碕駅:61分810円

倉吉駅から市の中心部を通り隣の琴浦町(旧赤碕町域)の赤碕駅まで向かう路線。3月までは2往復だけ大山町の下市までの便があったが全て赤碕行きになった。距離の割に30〜60分間隔と多め。

JR山陰本線・赤碕→下市:6分180円

ここから先はバス路線がない上に歩くには遠すぎる距離のためやむを得ず鉄道を使う。但し一日に3便だけこの間にある中山口駅からの町営巡回バスが通っている。これを使う場合は「逢坂八幡神社前」で降りればよいが、詳しいことは問い合わせること。

日本交通下市線・下市入口→米子駅:50分740円

下市駅から歩くこと15分、国道の交差点の近くにある「めしや」の裏にあるバス停から一日5往復(土日3往復)米子行きが発着している。目印は蔵のような塗装の昔の車掌車。但しこの10月から更なる減便が予定されている。確かに乗っててもほとんど乗客がなかった。

日ノ丸バス松江線・米子駅松江駅(→松江営業所):68分700円

最後に県境を越えて一気に松江まで行く路線。この路線は島根の共通バスカードが使えるため車両にはカードリーダーがある。一時期だけ高速道路経由もあったらしいが、30分480円で行けるJRには敵わなかった。