関西ICカード導入・磁気カード廃止事情

ここ最近の動き。

近江鉄道湖国バス

3月27日よりICOCA導入によってICカードに対応。同時に全国相互利用にも対応。近江鉄道は一部のコミュニティバスを除いた全線だが、湖国バス彦根・多賀エリアのみで、米原・長浜・近江今津エリアは対象外。また鉄道線も対象外。
割引も導入するがポイント制で、月に1000円以上使った分のうち15%を翌月付与するという変わったパターン。最初の1000円は何をしようがポイント対象外なので、それなりに使わないと確実に得にならない。還元率の15%は現行の紙の普通回数券と同じ。
紙回数券は3月末で発売終了になるが利用は継続し、IC非導入の米原・長浜・近江今津エリアでは販売も継続。昼間割引の「あおぞら回数券(還元率40%)」は代替もなく、米原まで行かないと買えなくなるので、買いだめも悪くない。但し販売窓口の殆どは月末月初以外は休みが多く、特に日祝は大多数が休みになる。
同時に、立命館関係路線専用だった独自規格のICカードも廃止。学割を兼ねているのか、常時あおぞら回数券と同じプレミアム額40%の太っ腹だった。

京都市交通局

大赤字を理由に、10月を目途に市バス・地下鉄・京都バス共通の磁気カード、トラフィカ京カードの販売を終了、翌3月で利用も終了。紙のバス回数券は続投するが、昼間割引の回数券は同時に廃止。2日乗車券も廃止になるため、京カード終了後の磁気カードは1日乗車券類のみになる。割引の代替はICOCAのポイントになるが、当然ポイント制なので少額利用では得にならないし、少額利用でも適用になる乗り継ぎ割引も廃止予定。猛烈な赤字で存続すら危うくなるため、前例のないほどの大幅な改悪に踏み切る。

近鉄バス

磁気カード・近鉄バスカードを19年9月末に販売終了、20年11月末で利用も終了。代替の割引サービスはPiTaPaのみ。月1000円未満は当然0だが、1000~2000円分は20%還元、2000円以上は10%還元という変わった二段階還元。

和歌山バス

20年4月に独自のICカード・kinoca+全国相互利用を導入。これに伴い磁気バスカードと、磁気だった1日乗車券の利用を20年9月末で終了。1日乗車券もICに移行し、首都圏のようにkinocaにデータを書き込む方式。通常の利用の場合はポイント制で、バスカードがプレミアム額10%還元だったのが、平日日中と土日祝が7%・平日朝夜が5%とかなり減らされた。特定額以上の利用でボーナスポイントを付けることで、一応磁気並みの還元率を確保。ポイント付与も翌月以降の乗車時に自動的に付くため操作不要。

南海りんかんバス

こちらも20年3月からICカード+全国相互利用を導入したが、規模が小さいからか南海バスのカード・なっちを選択。但し磁気カードはその前の19年10月で利用終了となったためラグが発生。この間は半年間限定利用の紙回数券で対応。なっちの仕様は南海バスと同様で、チャージ時にプレミアム額が付与されるタイプ。

神戸市交通局山陽バス

既にICカード自体は導入していたが、特に山陽バスPitaPaICOCA限定、加えて明石市内のみ神姫バスのNicoPaが使えるだけだった。両者とも磁気バスカードも残っていたが、3月からICOCAのポイントサービス+山陽バスは全国相互利用を導入するため、磁気バスカードは6月で販売終了・22年3月利用終了。神戸市の市バス地下鉄共通NEW Uラインカードと両者の1日乗車券類は磁気のまま続投だが、Uラインカードは元々還元率がかなり薄い。
ICOCAのポイントサービスは近江鉄道とはかなり異なる。月に1回だけの利用でもポイント還元対象となるが、事前に登録が必要。月額利用2100円で還元率が変わり、未満だと昼間10%・他5%、以上だと昼間20%・他10%。両者とも昼間割引バスカードがあり、これをそのまま引き継いで合体させた形。土日でも昼間しか利用できない点も同じ。尚、ポイントサービスは3セク神戸交通振興のうち山麓線・山手線も対象だが、シティーループと地下鉄は対象外。山陽バスの垂水~三宮の短距離高速バスも相変わらずIC利用自体が対象外。