撮影写真より


熊本市営バスのレインボーHR…ではなく、いすゞのロゴが貼ってある通りこの車は日野ではなくいすゞの車。
いすゞが00年代後半のほんの一時期だけリリースしていた「エルガJ」という車種。名前の割にエルガとは似ても似つかないが、それもそのはず完全にレインボーHRのOEMで、ハンドルのHマークがくり抜かれてISUZUロゴになっている点以外は普通のHRと全く同じ。4メーカーで唯一全長10.5m級の中型車、いわゆるモヤシを持たなかったいすゞのラインナップの穴を埋めるような存在で、そのため9mなどHRの他のバリエーションは供給されなかった。現在日野の路線バスはハイブリッドを除きいすゞが一括して開発しているが、逆に日野が開発した路線バスをいすゞが発売した例はこのエルガJのみ。
恐らく元からのいすゞユーザー向けの車種だったはずなのだが、既にモヤシ人気が下火になった頃に登場したため大半のユーザーには見向きもされなかった。そのため生産台数は極めて少なく、導入事業者は熊本市営と同じ熊本の九州産交と京成バス・立川バスの計4社局のみ、しかもそのうち立川バス以外は元ネタであるレインボーHRも並行して導入しており(熊本市営は9mのみ)、わざわざいすゞが売る意味が全く無かった。