星まつり

暇だったので「阿含の星まつり」を視察してきた。京都に本部を置く新興宗教阿含宗最大のイベント、信者でもない限り普段は入れない東山の山奥にある総本部で行われる。写真とかは他のブログにでも上がってるだろうから省略。駐車場がない上に山の中にあるので大半の見物客・信者は八条口からの送迎バス(300円)に乗ってやってくる。数年前までチャーターには市バスが使われていたが、今は京都中の観光バスをかき集めて運行している。。
内容は読教と太鼓をバックに巨大な炎の中に願いを書いた護摩木を投げ入れる。山科を一望できる星まつり専用に整備された会場では2つの炎の中に信者が護摩木の束を次々と放り込んでいて、隅には大量の護摩木が。途中投げ入れるのが中断され、歌舞伎とプロレスの入場を合わせたような意味不明のナレーションが流れた。会場でも護摩木は受け付けており、効果を見る限り願いはなんでも書けるっぽい。会場では他にもお守りや卒塔婆なんかが売られていて、中には「管長猊下御草案プロテイン」みたいな訳の分からないものも。こういうのがあるところが新興宗教らしい。
CM流したりテレビ中継までしてPRしているが、観覧客は大半が全国はおろか海外からもやってきた信者がほとんど。年齢層も老若男女様々で、子供にまで信者の恰好をしているのがいたのには驚いた。幼い頃から新興宗教にすがるというのはちょっと考えがたい。
会場に隣接する総本部にも行ってみた。何やら展示ブースがあり、中国道教の寺の秘仏60体が飾ってあった。それぞれ対応している誕生年の像の前で拝めばいいとのこと。像は中国のものだけに中国史に出てくるような人物をかたどっている。全てフルカラーでどう見てもこの10年以内に作られたものにしか見えず、あまり秘仏に見えない。その奥にも3体の仏像があり、前には参拝者の長い列が。こちらはやはり10年以内に作られたようなものもあれば、作られてから数百年は経っていそうなものもあった。阿含宗は前身の設立からしても50年しか経ってないので、元は阿含宗のベースとなっている密教系の寺にでもあったのか?もう一つのブースは管長の本や映像クリップの閲覧・販売スペースだった。この間に会場では管長じきじきの祈祷があったらしく、スピーカーに合掌する信者が見られた。
再び会場に戻ると、まつりはクライマックス。既に炎はさっきに比べると幾分小さくなっており、RPGのラスボス戦のようなBGMと何度も同じ読教を繰り返し唱えていた。この段階での見物客は9割方信者になっており、突然一斉に合掌して終了。ここで雨も降ってないのに虹が出てきた。日の傾き具合、眺望、RPGのエンディングのようなBGMと共に異様なほど雰囲気に合っていた。
ここで見物していた信者が移動し始めた。それまで入れなかった炎をくべていたところに降り、管長以下投げ入れに従事していた信者に一人一人謁見しているのだった。丁度非信者である自分がその列に紛れていたので結構焦った*1が、どうも一般客はだめらしいのでそのまま会場をあとにした。そりゃ非信者の一般客が崇めてもいない宗のトップに謁見するというのも変な話だ。


入るなと言われると入りたい身なので、とりあえず普段入れないところに入れたのは収穫だった。問題としては途中の未舗装の道が雪の影響で泥だらけだったこと。あれは除けててもよかったはず。そして相変わらずこのような新興宗教はトップをやたら崇めたりして理解できない。ここも他所ほどではないが霊感商法とかやってたりして少々カルトの臭いがする。やはり迂闊に入信するのは安全ではない。

*1:この段階で正装以外の信者は全員宗のはっぴを着ていたので、明らかに目立つ