バスメーカーについて

↑の記事が意味不明な方のために、エロデさんの分かりずらい解説。


まず、バスのメーカーというのは車台やエンジンの製造メーカーと車体や内装の製造メーカーに分かれる。車台製造メーカーは路線バスのシェア順に三菱ふそう(以下ふそう)・いすゞ自動車(以下いすゞ)・日野自動車(以下日野)・日産ディーゼル工業(以下UD)の4つがある*1。車種についてはそれぞれのキーワードページで確認のこと。車体製造メーカーは三菱ふそうバス製造(以下MFBM)・ジェイバス(以下Jバス)・西日本車体工業(以下西工)の3つがあり、この内MFBMはその名の通りふそう専属、Jバスはいすゞと日野専属。西工はUD車に標準で架装されるが、基本的にどの系列でもない*2のでどのメーカーの車台にも架装できる*3。これに加えて、03年までは富士重工もバス車体を製造していた。
02年、それまで敵対していたいすゞと日野がバス事業統合を前提とした提携を交わす。これにより、その2年後に両社の専属車体メーカーを合併、いすゞは自社製路線バスと日野製観光バスを自社ブランドで販売し、逆に日野はいすゞ製路線バスと自社製観光バスを自社ブランドで販売するという仕組みを確立*4。大幅なコスト削減と両社のバス事業の合理化に成功した。更に同年に発覚したふそうのリコール隠し事件が販売に大きな拍車をかけた。それはそれまでふそう車ばかりを導入していた事業者がこぞってJバス製を継続導入したほど。
これによって急激にシェアを落としたふそうは、製造コストの高い二階建て車やハイブリッド車を止め、既存車種をエンジン改良した上で販売したものの台数が伸びず、遂にUDと事業合理化に向けた提携を行った、ということ。
こういう事業統合はメーカーには前述の通りコストをかなり削減できるし、事業者はメーカーが異なっていても車種を選ばなくてすむという利点がある。欠点としては車種が統合されるのでそれぞれが持っていた個性がなくなるということ。しかしコスト削減の前ではそんなの言い訳に過ぎん。


まあこんなもんかね。こんなんで分かった貴方は偉い。

*1:観光・高速バスはふそう・日野・いすゞ・UDの順

*2:正式には西鉄の傘下。なので西鉄バスはグループ全3000台の99%がここの車体を纏う

*3:但し、UD車以外はほぼ京都以西に集中

*4:同時に観光バスはモデルチェンジ