撮影写真より


箱根登山バスから沼津登山東海バスに移った車両。バスが箱根登山鉄道直営だった時代、主力の箱根・小田原の他に、箱根の西側である三島・沼津にも路線を持っていた。世紀末に一旦沼津箱根登山自動車として分社したのち、三島・沼津エリアを担当していた東海自動車傘下・沼津東海バスに譲渡、同時に沼津登山東海バスに改名。この社名は箱根登山と東海バスの合弁のように見えるが、実際は旧箱根登山だった名残として残していたようなもの。そもそも両陣営とも小田急グループで、グループ内整理のための譲渡。これで箱根登山は箱根の西側から撤退となったが、今でも一部の古いバス停には箱根登山の名前が残る。
譲渡車両は、箱根登山表記がTOKAIロゴに変えられ、TBマークも新たに貼られたが、トップドア+ハイバックシートの自家用バスみたいな箱根登山特有仕様はそのまま。沼津箱根と沼津東海の統合が02年なので、もうさすがに箱根登山カラーは殆どいなくなっているはず。
その後の車両は、箱根登山カラーのうち赤いラインを消し、水色の部分を東海カラーのオレンジにした折衷柄で導入。「登山」の名前を残した理由が窺えたが、そのうちそれもやめてしまい、東海バス標準カラーに統一。社名も「東海バスオレンジシャトル」なる珍妙な名前に変わり、箱根登山色はほぼ無くなった。更に今年度になって、地域ごとに分社した東海バスグループを20年ぶりに統合し、単に東海バスになった。かつての事業会社である東海自動車は、引き続き持ち株会社としてグループ統括を行う。