撮影写真より


近代建築シリーズ「甲府市藤村記念館」。明治8年甲府市の隣にある現在の甲斐市に「睦沢学校」として建設されたもの。学校→公民館として使用されたのち、甲府駅の北にある武田神社境内に移築、このとき各種展示・交流施設に変わり名前も藤村記念館になった。甲府駅北口の整備に伴い、数年前に北口広場内に再移築された。この手の建築物にしては珍しく、定休日以外なら誰でもタダで入って見学することが可能、しかも移築により駅近になったのでより見やすくなった。
藤村とは、まだ県令と呼ばれていた初期の山梨県知事・藤村紫朗のこと。この建物は一見洋風に見えるが、実際は組み方など内側の部分は完全な和風建築になっている「擬洋風建築」であり、当時この造り方で公共施設の建設を推進していた藤村紫郎にあやかり、このスタイルは「藤村様式」とも呼ばれている。同じタイプの建築物に富士川町の民俗資料館「太鼓堂」があり、やはりこれも元々は学校だった。