この区間はかつての国鉄バス名金線に沿ったルートで、大半の区間において国道156号線を経由。名古屋→岐阜よりもはるかに長距離だが、個々の路線距離も長いため路線数は少ない。
元々は八幡線として、岐阜〜郡上八幡を1本で運行していた。現在は中間地点の美濃市駅で分断されているものの、一部の便はかつてのように通しで運行しており、その場合は美濃市駅で一旦精算。
岐阜美濃線は、最後の美濃市駅周辺を除き、岐阜駅周辺の157号線との並走区間を含めただひたすら156号線を走行。途中には、4年以上前に廃線となった名鉄の軌道線や駅の跡が未だに残っている。美濃八幡線も引き続き156号線を通るが、こちらの沿線はほぼ終始奥深い山。郡上八幡市街地を除き長良川鉄道と並走しているが、かなり便数が少ないためほとんど列車を見かけない。
名金線の代替路線として開設されたもので、岐阜バスの一般路線で唯一飛騨地域に乗り入れる。JRバスが最後まで乗り入れていた美濃白鳥を過ぎると、沿線施設は何もなくなりただの山道に。並走していた長良川鉄道が途切れると勾配もよりハードになってくる。峠になっているひるがの高原を越えると高山市荘川町(旧荘川村)へ。そこから少し北の156号線と158号線の分岐点にある、かつてJRバスの駅があった牧戸車庫が岐阜バス最北端のバス停で、現在も濃飛バスが停泊施設として使用。終点の「桜の郷荘川」は東海北陸道荘川IC直結の道の駅で、露天風呂も併設。バス乗り場には「バスの駅」とも併記されているが、単に路線図が載っているバス停で発券設備などはない。
かつて牧戸・荘川〜高山は、白川郷発着の路線が経由することもあり多くのバスが行き交っていたが、東海北陸道の全通で全てそちらに経路が変更され、今は1日2往復のみの当路線が僅かに立ち寄るだけ。御母衣ダムや、名金線が有名になるきっかけとなった「荘川桜」がある牧戸〜白川郷間に至っては、岐阜バスの岐阜〜白川郷の高速バスが1往復通るだけ(しかも冬季運休)に成り下がった。又、今回のように岐阜・美濃市方面から乗り継ぐ場合、ダイヤの関係上郡上八幡かこの荘川で2時間待つ必要がある。
この路線も、高山の市街地以外は家すらまともにないほど山の中を通る。高山駅の少し手前に不気味なほど巨大な施設が見えてくるが、これが手かざし系のカルト宗教「崇教真光」の総本山。手をかざすだけでどんな病気も治る、というイカニモな謳い文句で信者を増やしているらしい。
高山に着いたのがまだ夕方あたりだったため、周辺地域を少し探索して1日を終える。
都市部では高速バスに使うようなトップドア大型車を、こちらでは一般路線バスとして使用。これが一番正しい使い方なのかも…。