DQ11S・その7

追加エピソードの影響で、異変前後の持ち物の取り扱いが大きく変わった。オリジナル版は、異変後スタートと共に、異変前の仲間の持ち物は全て袋に押し込まれ、再加入時はシルビアのみパレードの服、それ以外は旅人の服1枚のみの装備で加入する。Sでは、装備・持ち物はそのままで追加エピソードに入り、再加入時も装備・持ち物ともそのまま。代わりに、追加エピソード中は袋のアイテムは使えず空。一方の主人公は袋の中身は引き続き使える代わりに、仲間に持たせたアイテムは再加入時まで使えない。追加エピソード中の所持金は異変前の所持金とは別に3000ゴールドが支給され、再加入時にパーティの所持金に加算される。
うちの場合、ラムダでのアイテム増殖ポイントがあったので、種の他レア素材や有力なアイテムを仲間に持たせ、整理はめんどくさいしどうせ異変後に全て袋に収まるからとそのまま異変後に突入。エマのお守りやらはやぶさの剣やら天使のソーマやらのアイテムを全て持たせたままだったので、魅了耐性が付きにくいわ大天使のブーツは作れないわで若干不利になってしまった。仲間側も、回復アイテムを殆ど持っていなかったが、そういった場合での配慮からか、割とNPCが回復してくれたりとあまり苦労しなかった。唯一マルティナ編は薬草無しだとほぼ回復出来ないが、劇中では死んでも即復活するのであまり要らない。各持ち物はロウ・シルビア辺りなら割と早い段階で回収出来るが、ベロ・セニャ姉妹だと回収まで何度もボス戦があってかなり時間がかかる。



声を入れたことでオリジナルとの違いも出る。記憶喪失中のカミュは、例えばブーメランを投げると以前は"行け!""そこだ!"だったのが"当たれ!"と妙に弱気になる。連携技含めモーションはそのままだが、レベルアップした時の声は当然変わる、というか変わってなかったら手抜き。グレイグ将軍は、まだ善悪が半信半疑だった主人公ととりあえず行動するという意識だったNPC時代だと、こちらが敵を倒しても"やるな!"と上から目線だったのが、謝罪・改心して正式に仲間になったあとは"素晴らしい!"と逆に称えるようになる。



異変後から徐々に新規アイテムが出てくるようになる。武具だと見た目が変わるおしゃれ装備が中心で、シルビアが世助けパレードで着ているのは、パレードの服の正常進化版・カーニバルの服。旧来のパレードの服は引き続き主人公が着ることになる。カーニバルの服はパレードの服と違って主人公は装備出来ず、完全にシルビア専用。一方でマルティナ専用・弁天のどうぎは市販品で、再加入するかなり前のドゥルダ郷のよろず屋で売っているが、元々パーティが2~3人で余裕がない時期なのでスルーされがち。ロウ専用・初代大師のぶとうぎは、ミイラ化した現場のすぐ隣の宝箱に入っているのでまず取り逃さないというのに。
アイテムといえば、ショートカットメニューにある「馬呼びのベル」は、異変後だと鳴らせなかったというメッセージが出て何故か使用出来ない一方、キャンプなどにある固定のベルは普通に鳴らせて馬を呼べるので、馬に乗れないから鳴らせないということでもない。意味が全く分からなかったが、シルビア再加入時に拾ったという名目でベルが渡されるので、どうやら一時的に紛失していたという扱いが正解。だったら最初からベルを失ったみたいなことを書いてほしいと少しは思った。



冒険の書エストで、9の冒険の書として登場する「見えざる魔神の道」。冒険の書の世界は全作強制的にFC音源に固定される影響で、FC版3の洞窟のBGMがそのまま流れる。元々9の宝の地図のダンジョンは、BGMが全て3の洞窟用の"ダンジョン"がそのまま使いまわされていたが、SFC版でのアレンジされたバージョンがベースとなっていたため、ささやくような静かな音調であり、他作などで流れる際も殆どこのアレンジ版ベースで、FC版のみが持つイントロからおどろおどろしい雰囲気は失われていた。今回のFC音源固定化により、ここのBGMもFC版となった結果、FC音源の"ダンジョン"がまさかの復活。やはり3の"ダンジョン"は怖さがないと締まらない。