MAXIV CORD

当初の予定から実に5週間も遅れてようやくリリースされた。"批判覚悟"の下、人気だが負担が大きい協力プレーを全削除するという背水の陣。タイトルには14作目なのでローマ数字に見立てた「XIV」が入るという面白いからくりがある。


先ずはエクステリア。今回も看板と"遊び方シート"のみの変更だが、看板の方にはQMA15周年マークのポップが標準装備されている。以前のようなシールではなくネジで固定されているので、意図的に破損しない限り途中で取れることもなく最後までずっとこのまま。遊び方シートの方も、2月にリリースされたソーシャルゲーム・ロストファンタリウムの広告が入っている。今回はタイトルロゴもロストファンタリウム準拠に変更し、ダサ感が拭えなかったカタカナロゴは3年で無くなることに。
又、ICカードのリーダー部分のステッカーが非接触式に変更されて以来初めて更新された。導入から7年経ち、店舗によってはかなりボロボロになっていたので、替え時と判断したのだろう。



今回のイメージカラーはオレンジ。TG以来使い回され続けているGUIはオレンジがかった色味に変わっているが、基本はそのまま。BGMは一部を除いて全面的に差し替えられている。初回スタート時には、すっかり味方に加わったグリム達も交えた小芝居が始まるが、何故か旧作まで右上に存在した「quick」ボタンが無くなっているので飛ばせない。プレーヤー全員が全員キャラやストーリーに興味があるわけではないので、強制的に見させるこの姿勢はどうなのか。協力プレー廃止に伴い、今回のストーリーはかなり久々に階級が上がるたびに進む方式に変更されている。
モード選択は協力→リコードとQメダル交換が新たに出来たが、ウィークリーミッションがあった部分が丸々消えている。WE開始時は暗転はしていたものの存在はしていたので、協力同様廃止濃厚。スタンプがほぼ必要無くなったからか。PASELIの購買部は、入場した際にPASELIの利用規約が表示されるようになった。同意せず「いいえ」を押すとマイルームに飛ばされる。お助けアイテムが無くなった以上、PASELI購買部の需要は大幅に減るものと思われるはずなのだが、割と謎の措置。



今回最大の目玉であるリコードアリーナ。これまでと全く異なるカードゲームで、リコード=カードは「過去の記憶」を具現化したという名目で過去の立ち絵からサントラのジャケット、検定バナーの一部分まで色んなイラストから借用されている。"5度目の勝利"=5の優勝絵など、凝ったネーミングもある。カードはゲームをやらずともパックで単体販売されている物が買えるが、最も使うであろう27枚組で900円とかなり高い。カードにはソーシャルゲームよろしくレア度が付いており、定期的に入れ替わる各テーマに沿った高レアカードは特別に使い回しでなく描き下ろし。
始める前の選択画面には、"最初はチュートリアルから始めることを「強く」おすすめします"と珍しく強調した注意書きが書かれている。それもそのはず、これまで単純なルールが多かったQMAのゲームモードの中でも一線を画す難解さなので、何も知らずに入っても何も出来ずに終わる。チュートリアルは説明付きの試合と実際にCOMと対戦する2戦保証なので比較的お得。説明画面はかなり長く制限時間を取ってあることから、じっくり読んで欲しいという思いが窺える。これを繰り返して色々覚えていくわけだが、確かに難しいものの嵌るとかなり伸びしろはありそう、という感じはさせてくれる。
しかしそこまでの敷居がかなり高いわけで、ゲームへの十分な理解+初期装備のデッキは当然強くないので高額な金を払ってパックを買わないと太刀打ち出来ない。救済として、重複カードを実質モード内専用ポイントの「リコードピース」に変換し、他のカードと交換出来る機能があるものの、4枚以上重複してなければ変換出来ず、レアなカードは当然レートも高い。カードゲーム要素に加え、途中のクイズに正解しないとカードの行動枚数が制限される、といった他のカードゲームでは真似出来ないQMAならではの要素もあるわけだが、言い換えるとカードゲームとクイズの両方に精通していないと楽しめない。決して悪くはないのだが、相当人を選ぶモードで、残念ながらQMAのプレーヤー層では適合しない層が多い。更に獲得魔法石もトーナメントと比べて4分の1と非常に少ないので、稼ぎにも向かない。色々と勿体ない。



一方のトーナメントは、リコードアリーナの気合いの入れようとは真逆で、BGM以外は殆どWE以前の使い回し。色味以外何の変化も感じない。数少ない変更点は、決勝の構成が3ジャンル4問ずつから3ジャンル3問ずつ+ランダム選択の3問という、TGと同様の構成に戻された。この点を評価する意見は当時殆ど聞かれなかったはずだが、何故敢えて戻したのかは不明。
又、組の昇格降格条件はこれまで全組一律だったが、上の組ではかなり条件が厳格化し、ドラゴン組ではフェニックス組で3戦平均1位でないと上がれなくなった。上がったところで今度は平均5位だともう落とされる。これについては、従来は人のいない組で意図せず勝手にどんどん上がっていったことを考えると、まあ妥当なテコ入れではないか。相変わらずCOMも弱くないのでそれなりに上がりにくくなり、リコードを嫌う層が集まって過疎化も減少が予想されることから、ようやくまともに機能するようになった。



結局はリコードの癖が強すぎる内容から、新作でも早速閑古鳥が鳴きそうなお寒い内容と言わざるを得ない。ネットでも賛否両論、というか明らかに否の方が多い。6のようにEXを出さざるを得なくなってしまうのか。