暁の鐘

本日より運用開始。いつも通りのファーストインプレッションから暁のプレー日記は始まる。随分人気が落ちたため、もしかしたらQMAの新作はもうこれで最後になるかもしれない、という思いも聊か感じる。


まず外観。学舎より更に簡略化され、外装で変更されたのは銘板と遊び方紹介パネルだけ。ポスターもPOPも無い、限定パスは既に廃止されているので当然無い。今作はとにかく初心者や未体験の層に対して非常に訴求力を感じるものがあり、一番目に付くタイトルロゴを敢えて英字表記からカタカナに変えたのもそういう理由だろう。遊び方パネルは従来なら色々書かれていたが、今回はほぼトーナメントのルールのみに絞られている。「賢者の道も一問から」だそうだ。


ゲーム開始。例によってキャラとCNの入力だが、今回は引き継いだカードの場合以前使っていたキャラ・CNが最初から選択されているので、以前に比べるとミスはあまり無い方だとは思う。それでも、今回もやはりCN入力の際はOKボタンを押下した時点で確認画面も無く即決定される。完了すると小芝居が始まり、ここでヴァニィことヴァネッサ初登場。他の先生はアニメ塗りなのに、ヴァネッサはCG塗りなのでかなり違和感がある。
2回目以降は普通に暗証番号と料金支払いを行うとすぐゲーム開始だが、この時の画面は学舎時代と全く同じ。だが妙に違和感がある…というのも、暁では前評判通りティアル・セレストの妖精兄弟が正式に降板したため、暁のゲーム中には一切登場しなくなった。いわば扉以前に戻ったようなものだが、妖精がいたことにすっかり慣れてしまったのでいないと少し寂しい。


トップページ画面。学舎の頃よりボタンが更に大きくなり、プラスここではSDイラストを多用しており、分かりやすくなったと同時に親しみも持ちやすくなった。これも初心者アピールの一環。QMAのSDといえばおなじみのポリゴンキャラがいるため、イラストはこれまで一部のグッズなどごく一部の場面でしか使われなかったため割と珍しい。
現段階で選択出来るのはトーナメント・検定・対戦のみ、協力プレーは恒例の1ヶ月後のアップデートで対応、ホウキレースは廃止、イベントは最初からスペースすら存在しないため今後どうなるかは不明。ホウキレース廃止により台湾版とマッチングする術が無くなってしまったが、台湾でも撤去が進んでいるため、これでQMAの海外展開は半ば見切りを付けられたと言っていいのかもしれない。
画面右下に表示されるプロフィール画面。所属組廃止に伴い、その分のスペースに階級が大書きされるようになった。これまでの色つきの麗雅宋だったのがただのゴシック体になってしまったので、おしゃれさが半減。


マイルームと購買部画面。ここは学舎の頃とほぼ同じだが、協力関連は未実装につき入れない。又、メダルとクマフィーは廃止されたためページが存在しないのだが、その跡なのか空欄のタブが一つだけ存在している。メダルはまだしも、クマフィーは今後追加でもするつもりなのだろうか。



そしてトーナメント。組に所属するのではなく3つのリーグから自分で選ぶ形になり、自分の能力や階級等に関係なく下のリーグだったり上のリーグだったりに入れるようになった。これにより以前のような組調整のための捨てゲなんてのを行う必要は無くなったが、全ての組で初心者・廃人どちらとも当たるようになるため、正直組システムよりも厄介。ここでも初心者向けにチュートリアル機能があり、入ると全員COMのペガサスリーグをお試しすることが出来る。
妖精降板に伴い、順位の中間変動は1年で廃止された。誰かが解答するとSEが鳴り、お助けアイテムは誰がいつどれを使ったのかがすぐ分かるようになっているため、どちらもかなり急かされる。5問以上連続正解するとヴァニィが反応するが、最早クマフィーが無い今となってはそんなに意味が無い、数十〜数百問続けたらせいぜいランキングに載れるくらいか。
通過者発表の際、自分が1位ならこれまでは最初の台詞で「あなたが1位だ」と言われるのですぐ分かったが、暁では自分がどの順位にいても台詞は共通なので、1位通過であっても発表の瞬間まで分からなくなった。又、敗退時には、これまでの先生陣だったら出直せたらお仕置きたらと言われたが、ヴァニィは「熱い戦いをありがとう」みたいに、妙に敗退者を讃える台詞を言う。これにはどういう意図があるのだろう、初心者をターゲットにするからにはあまりきつい言葉は避けた方がいいという判断だろうか。
準決勝は4人。何だか決勝という感じにしか見えないが、準決勝である。通過者発表は1位・2位ともほぼ同じような画面で扱われ、敗退する3位・4位にはやはり讃える台詞を添えて落とされる。決勝は交互に投げた形式の問題が登場、HP式につき先にHPが0になると終了。12問しっかり出来た学舎以前と比べるとかなり短く感じ、又逆転はかなり難しくなった。
石授与の画面。これまでは単に石版にババッとはまっていくだけだったが、今回は石1個ごとに階段を上っていくアニメーションに変更。石版よりもこっちの方が見ているだけでも楽しい。


予習は難易度が5つから3つ、難易度を最大にする為の合格回数も10回から8回と大幅に簡略化。選択画面もそれぞれの形式を図柄化したピクトグラムが付くようになり、一目で内容が分かるようになった。但し決勝でHARDが使えるのはドラゴンリーグのみ、又自由形式は全ジャンル廃止されている。


四人対戦は従来通り。ここのみ学舎までの決勝と同じく4人×6問制が残されている。但し背景とBGMは変更されているが、BGMチケットは従来通り利用可能。
細かいところでは、PASELIでのプレー特典のうち石増加の倍率が学舎までの1.2倍から1.3倍に増えていた。だが1割アップしたところで焼け石に水レベル。1.5倍くらい差をつけて初めて実感が出てくるというもの。更にプロデューサーも交代した模様。



とりあえず一通りやってみた。利点は上記に記した通り。以下は欠点、まずトーナメント関連。
初心者に色々アピールしている割に、トーナメントは各リーグとも入場にレベル制限が無い故にメンバーが玉石混交状態で、初心者レベルで勝てる隙が殆ど無い。特にペガサスリーグはセレクト系しか出ないためほぼ時間差勝負、1問でも落とすと連想で即答でもしない限り勝ち目は無い。その癖昇格試験が設定されており、ブロンズベルの10倍の価値があるシルバーベルはグリフォンリーグ、100倍の価値があるゴールドベルはドラゴンリーグで勝たないと手に入らない。そのうち昇格にゴールド数個に対しブロンズ数百個が必要となる場面が出てくるので、否応にもドラゴンリーグで勝たないといけないが、これは初心者には到底クリア出来そうになく、例え定着しそうになってもこれが原因でとっとと辞めていくパターンが容易に想像出来る。また中級レベルのプレーヤーも、ランカー揃いのドラゴンリーグで勝ち抜くというのは相当きついものなので、結構つまづきやすく感じた。検定でなら結構ベルが稼げるとのことなので、得意なテーマが来たら一気に貯蓄するしかない。無論上位のベルを集めるにはそれ相応の問題回収が必要である。
トーナメントの所要時間はこれまでに比べるとかなり短い。8人としかマッチングしないため予習は規定数を消化するとすぐに招集がかかり、決勝はこれまでの4人から2人に減ったため勝ち残れる確率が激減、しかも当の決勝もそれまでの12問保証からHP0の時点で強制終了するため、これまで1回で最大20分ほど楽しめたのが早いと10〜15分ほどで終わる早さになってしまった。回転が速くなるのでそこまで悪い点でも無いが。
決勝では話題の「大破絵」が出てくる。正直言って初心者層にこれが受けるかどうかと聞かれると首をかしげる。確かにQMAにエロ要素はほぼ不可欠だが、それは昔からのファン層向けであって一般層がどうとるかは別。イラスト自体も妙にクセのあるタッチで、言い換えるとこれまでのQMAらしくない、世界観に合わない。個人的には大勝利・大破のどちらともトゲがあって苦手。
そしてそもそものマッチング人数の少なさ。いざ8人トーナメントをプレーするとその寂しさに物足りなさを感じるが、何度も書いた通りプレー人口が一時期に比べ相当減っており、5の頃に比べると登録カード数が5〜6分の1前後にまで減ったという現実を突きつけられると、例えこの設定でも受け容れなければならないという意識になる。


他には、遊べる機能が少ない。トーナメント・検定・対戦のみというのはまさにQMA5〜6の頃と同じ。ある種の原点回帰なのだが、当時と違い色々あったモードが削られた結果の姿であり、その上トーナメントが当時と全く別物となり、且つ非常に勝ち抜きにくい仕様となっているだけに、トーナメントも検定も食指が伸びにくいユーザーはもうプレー自体を避けるしかない。クマフィーも無くなったためクマフィー目当てのプレー、なんてことも出来なくなり、ますます足が遠のくユーザーもいるだろう。無論、自分もこの影響をモロに受けている。


相変わらずの使い回しが目立つ。デモムービーのキャラ紹介も、色々イラストは出てくるがあれらは全て過去作の優勝絵・壁紙絵などアーカイブから引っ張ってきたもの。キャラの声も新録の2人以外はやはり使い回し、もうこれでかれこれ4年ほど同じ。余程ギャラを切り詰めているのだろうか。BGMは大幅に使い回した学舎から反省したのかトーナメントでも新規で作成したようだが、種類が少ないのが欠点。マイルームや予習は使い回し、これらは背景まで使い回し。背景も新規にしたトーナメントは例年に比べると多少は力を入れた方だとは思う。



正直言って、この仕様では残念ながら継続してプレーしようという気にはなれない。少なくともトーナメントは組が選べる以上いつまで経っても各リーグでカオスな状況が続くため、積極的に入りたいとはあまり思わない。協力プレーが追加される1ヶ月後のアップデートでどれだけ化けるのかに注目したいが、それまでは大幅にペースを落とさざるを得ない。