陸前高田市、有名な奇跡の一本松から少し離れた位置にある、もう一つの忘れ去られた松。枝が全て無くなっており、幹も一本松と比べると割といびつな形であまり見栄えは良くないが、大金を投じて半人工と化した一本松と違いこちらは100％天然の松。しかし個人のブログ・SNSで取り上げられることはあっても、マスコミがこの松の存在を報道することはまずない。立入禁止区画にあることも、その知名度の低さに拍車をかけている。
一本松は数千本の松からたった1本だけ津波に耐えて残った奇跡の松、というサイドストーリーで知られるが、これがあると同じ経緯の松がもう1本あるということでそんなストーリーの価値が下がってしまい、そもそも『一本松』ですら無くなってしまう。かといってこんな枝の無い松を同列に扱うわけにもいかず、一本松の存在を美化させるためにもこの松は闇に消されるべき存在、と思われているのだろう。その割にまだ残してあるのはよく分からないが。
