高知

昔のモノコックバスが大量に残存していたことで有名。これまでも何度も行こうと検討してきたが、そうこうしているうちにどんどん廃車になっていき、今やモノコックバスは片手で数えられる程度にまで減った。さすがにやばいのでようやく今回初上陸。写真が多くなりそうなので分割。
降りたっていきなり土佐電のB35型バス、いわゆるブルドッグが登場。乗車してみたが、走りに全く異常がなく極めて調子が良く、とても29年も経っていると思わせない。

その後も何度か走行しているのを目撃。この車、よりによって片道1時間以上かかる土佐電バス最長路線の安芸線を毎日休まず数往復しているらしい。今やこの形は高知と松本くらいでしか見られなくなった貴重な存在だが、これほどハードに使っていて大丈夫なのか。


上のブルドッグは正式には土佐電ドリームサービスという子会社が所有、安芸線も同社が運行。車両のほとんどは土佐電から譲渡されたので同じ車体色だが、ドリームサービスが独自で導入した車両は全く違う車体色。…なのだが、何となく町営バスや自家用の送迎バスに見える塗装デザイン。この車は高知では珍しい中古車(元京阪バス)でもある。


一方の高知県交通は、廃車後も保存していた富士重工3E型が最近になって解体されたため、モノコックが全滅。最古参となった3Eの後継・5Eも平日朝夕など多客時にしか動かしていない模様。同じ形の中型車である6Eはまだまだ多いが、こちらも87年以前の「高ナンバー」車は既におらず88年式以降の「高知ナンバー」車ばかり。


高知市の東に「高知龍馬空港」があり、土佐電ドリームサービスがリムジンバスを運行していた…が、規制緩和を狙って老舗の貸切事業者「高知駅前観光」が新規参入。土佐電は南国バイパス上でも乗車か降車を扱う利便性、駅前観光はスーパーシートと市内直通をアピールし互いに激しく競合している。


ただ、如何せん両社とも車両が古い。土佐電には数年前に入ったエアロバスが何台かいるものの、それ以外はどちらも軽く20年落ち。駅前観光では既に新免観光バス会社ですら見かけなくなってきた、セレガの前身モデルであるSHDのグランデッカ・SHD+低運転席のグランジェットが未だに乗合で現役。手軽に乗車できるのはもはやここだけになったのかもしれない。