最後の区間となる桑名〜名古屋間は、昔なら近鉄とJRがありながら三重交通が結構な便数を直通で運行していた。その後は年を追うごとに減っていき、現在は1号線経由と名四国道経由がそれぞれ平日夜の桑名行き片方1便のみが残された免許維持路線と化している。
同じルートを過去に乗り継いだ他のサイトの多くは、一般道経由で長島温泉と名古屋を結ぶ路線を利用していたがこれも昨年10月で廃止。30キロ程度しかない距離にも関わらず乗継ぎ難易度が一気に高まった。
まずはこの系統に乗り、名四国道の休憩所がある長島町の伊曽島へ。需要の多い路線のため、しばしば高速用車両が運用に就く。
この後の桑名市コミバスには昼間に運行しているなばなの里行きに乗っても乗り継げるが、それ以降に乗り継げるかは不透明。
長島町をほぼ半周し、名四国道から木曽川にかかる1号線の尾張大橋へと向かう。長島南ルートと長島北ルートは正式には別路線だが、ほぼ全ての便が通しで運行。但し1日4便、通しなしでも5便のみの運行。
運行するのは特定や送迎の受託を多く抱える中日臨海バス。少し前までは珍しい3枚折戸のローザが使われていたという。
木曽川は愛知県と三重・岐阜県境でもあるため、一般道経由でまたぐ路線バスはほとんど存在しない。かなり長い橋だが、これを渡ると遂に愛知県へ。
次は弥富市の福祉バスに乗車。どこまで乗ってもタダというのが有り難いところ。桑名市コミバスとの乗継ぎなんて当然のことながら考慮されておらず、短時間で乗り継げるのは朝一の便しかない。こちらも1日4便しかないため乗り遅れると厄介なことに。
運行は三重交通桑名営業所のため三重ナンバー。ちなみにこの車が今回初のふそう。奈良交通や三重交通が連続したため必然的に日野といすゞばかりに乗車していた。
弥富市の高齢者用施設である総合福祉センターで10分ばかり待ったのち、さっきと同じバスに乗車。バスには次停留所表示はあるものの車内放送だけはない。
間に蟹江町を挟んで更に橋を3つ渡る。ほぼ同じ経路を飛島バス蟹江線(旧三重交通)が並走しているが、何故か巡回福祉バスとの並走区間の停留所が廃止されているため乗車できないし、乗るほどの距離でもない。3つ目の河合小橋を渡ると、いよいよ最終目的地である名古屋市に突入。
名古屋市内に入ったためここからは市バス。幹神宮1系統も同じ区間を並走しているため便数はそこそこ多い。前乗りになるので一気に都会な雰囲気に。
ちなみにこの河合小橋が名古屋市バスの最西端停留所、つまり最果ての地点。
ラストを飾るのも名古屋市バス。幹名駅2系統は名古屋駅〜野跡駅がメイン経路だが、半数以上がこの東海橋発着。運河の横を通るため大阪市バス並に「橋」がついた停留所が連続する。
こうして丸4日、30近くの路線を乗り継いで名古屋駅に無事到着。距離にして350キロ近く、運賃総額も1万円を軽く超えた。現状ではなんとか乗り継いで行くことが可能だったが、特に天理以東はいつ路線や乗り継げるダイヤがなくなるか分からない。地域や趣味人のためにも何とか維持して頂きたいところ…と書いていたが、その後'11〜'12年にかけてこの不安が的中、天理駅〜上野や名張駅〜奥津などが続々と減便。今回乗車した各コミバスも改正され、現在この区間の乗り継ぎは相当厳しいものになっている。
そして名古屋駅では、市バスに大量導入された例のふそう純正ノンステップがいくつもいた。今でもその製造・導入事由など謎が多い。