最近廃車された、京都市バス初のCNG車・6125号。95年初め、日産ディーゼルが試作したCNG車として全国の主要公営事業者と西鉄が導入、うち富士重工ボディを導入しない京都市・神戸市・西鉄が西工製車体で導入された。一般車とは違う独特のエンジン音と日本電装(現デンソー)製屋根上直結クーラーが特徴。
導入当初は一般塗装で、現在は廃止された35系統、後に65系統にほぼ専属で運用。観光系統・102系統が設定されると今度はそちらに入るようになり、その際にかつての市電と同じ塗装に変更。「観光百景」のブランドが制定されるとその部分ラッピングも貼り付けられた。「観光百景」が「洛バス」と変更されたときは新たに102系統用の全面ラッピングが施されたが、通気孔や屋根上クーラーユニットに市電塗装の面影が残っていた。102系統の管轄が烏丸から錦林に変更されたときは、この車両も長らく在籍した烏丸から錦林に転属、末期は102系統専属ながら錦林最初で最後のUD製ツーステップ車として活躍した。
この車両とほぼ同じ経歴をもつ三菱の試作ハイブリッドバス・MBECS(5941号)も運命を共にし、102系統専用車の後釜には既存のブルーリボンシティが務めることになった。写真は上が観光百景としての姿、洛バスとなった下の写真は教習車として普段まず来ない京都駅に現れた際の姿。
CNG車としては初期型だからか、車内外ともエンジン辺りが常にガス臭かった。新製時から廃車まで一貫して専用ヘッドマークを装備し、65系統で使われていた一般塗装時代には大阪ガスのCMにも登場。何故大阪市営の車両じゃなかったのかは謎。
こちらは本来の姿である富士重工7Eボディを架装した試作CNG車(上が大阪市営、下が名古屋市営)。大阪市営は慣例に則りCNG車ながらビルトインクーラーとして登場*1、名古屋市の車両は最古参クラスながら今でも現役。UDの試作CNG車が残るのはこの名古屋市と西鉄だけになった*2。